物流業界で深刻化する人手不足を打開しようと、宮城県大和町の運送会社が外国人ドライバー2人を採用しました。

タイ出身の2人はデビューに向けて免許取得のための訓練や日本の交通ルールの習得に励んでいます。

大和町の運送会社「富田運輸」では、トラックのドライバー不足が続く中、8月にタイ人の男性2人を新たに採用しました。

8月28日は、先輩社員から大型トラックの安全点検のやり方などを教わっていました。

2人が活用する在留資格は「特定技能1号」というものです。この制度は、人手不足が深刻な分野で外国人材の受け入れを認めるもので、2024年に自動車運送業も追加されて外国人ドライバーの雇用が可能になりました。

130人余りのドライバーを抱える富田運輸もドライバーの高齢化に頭を悩ませていたといいます。

富田運輸 近松誠・総務部長:
「客にお願いして日中帯の仕事を増やしてもらったり女性ドライバーも1割近くなったりしているが、まだまだ人が足りない。2人は一日も早くトラックを運転したいという意欲がすごくて、私たちが驚かされるくらいの気概を持ってやってくれている」

採用された2人は現在、大型免許の取得に向け、運転技術や大型トラックのリフト操作などを学んでいます。

また、日本の交通ルールについても座学でじっくりと学習しています。

ティーラポン・シリパッタラトーンさん(33):
「タイと日本は右ハンドルで同じ。いろいろ学ぶことが多いので一生懸命取り組んでいます」

ノンタワット・スワンナポンさん(32):
「交通ルールも日本の標識もだんだん覚えているのでそこから勉強していく。社員は親切だから、仕事もちゃんと教えてくれてうれしい」

2人の入社は、外国人材の受け入れを仲介する会社の支援を受け実現したものです。

外国人トラックドライバーの採用は東北では初めてとみられます。2人はこれから大型免許を取得したあと、先輩ドライバーに同行しての研修などを経て早ければ2025年内にもドライバーとしてデビューします。富田運輸は今後も積極的に外国人材の受け入れを進めたいと話していました。