「大金で子どもが喜ぶと」

■弁護人:「被告の元妻への証人尋問で、犯行後に70~80万円を被告からもらったと言っていたが、それはどこから」
■佐藤被告:「盗った金から渡した」
■弁護人:「ほかには何に使った?」
■佐藤被告:「細かくは覚えていないが、宝くじ、工具の購入、家族の飲食代などに」
■弁護人:「2、3か月経ってから使ったのはなぜ」
■佐藤被告:「自分の手持ちがなくなってきたから」
■弁護人:「当初はなぜ手をつけなかった」
■佐藤被告:「人のものを盗んだ罪悪感から」

初公判の法廷・仙台地裁

■弁護人:「家族の経済状況から、大金は必要なかったのでは」
■佐藤被告:「はい」
■弁護人:「当時の債務状況は」
■佐藤被告:「債務整理中で、返済中だった」
■弁護人:「残りはどのくらいだった」
■佐藤被告:「残りは2年くらいだったが、返済には充てていない」

■弁護人:「2月21日、なんで犯行に及ぼうと」
■佐藤被告:「仕事が少なくなってきて、このままだとクビになると思った。生活に余裕がなくなり、お金が欲しい思いが強くなった」
■弁護人「なんでクビなると思った」
■佐藤被告「会社の売り上げ上がらず、展示場をやめたり縮小していった。このままではリストラ対象になるかと」
■弁護人:「それが大金にどう結びつく」
■佐藤被告:「生活に余裕ができればと思った。大金で家族、子どもが喜ぶと邪な思いを持った」

■弁護人:「今、家族はどんな状況」
■佐藤被告:「つらい思いをしている」
■弁護人:「どんな間違いを犯したと思う」
■佐藤被告:「お金を自分のものにしようとした。事件で命を奪ってしまったことは申し訳なく思う。遺族にもつらい思いをさせてしまった」
■弁護人:「謝罪文を書いたが遺族に受け取ってもらえなかった。どうして」
■佐藤被告:「自分が逆の立場だったらそうする」

■弁護人:「返済できていない分はどうする」
■佐藤被告:「刑期を終えて一生かけて返そうと思う」

弁護人からの約1時間の質問に対し佐藤被告は、前を見つめながら終始落ち着いた様子で受け答えをしていました。

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