「暑さの負の遺産」蓄積型熱中症
都内のクリニックにやってきた50代の女性。

患者(50代)
「きのうまでは外に出るとじわっと汗をかくくらいだったが、きょうは全然汗が朝からかけなくて。血の気が引いたような感じもした」
女性は数日間食欲がなく、さらにこの日、頭がぼーっとするという症状もみられるようになったといいます。医師の診断は…
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 院長
「脱水がピークに達したのかなと。蓄積型の熱中症ですね」
“蓄積型熱中症”

伊藤医師によれば、暑さによって睡眠だけでは解消できない小さな負担が身体に溜まっていき、3日目ごろから立ち上がれないほどの倦怠感や、頭痛・吐き気などの症状が出るのが、“蓄積型熱中症”の特徴だといいます。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 院長
「3~4日間頑張って、あと週末にゆっくり休もうと言っていると、その前に“蓄積型熱中症”になってしまう。借金だと思ってください。その日にためた暑さからくる借金。負の遺産はその日のうちになるべく解消する。少なくとも2日目までに解消するというふうにしていけば、断続的な暑さに負けないでいけるのではないかと」

この先の予報を見ると、東日本から西日本でしばらくは猛暑日となる日が続く見込みです。
クリニックではお盆休み以降、“蓄積型”や症状が長引く熱中症の患者が増えていて、伊藤医師は引き続き注意を呼びかけています。
いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道 院長
「予防と熱中症になったときの早めの対処。リカバリーしていない場合には、仕事に復帰したときも一旦内勤など体の負担の少ない職場で慣らしてから元の環境に戻るほうが安全かなと」