石川県中能登町で始まった日本酒を蒸留する新しい酒づくりへの挑戦。伝統的な酒文化を継承し、発展させる「創造的復興」の取り組みを取材しました。

日本酒を低温で蒸留して生みだされる酒「浄酎」。研ぎ澄まされたコメの旨味と、滑らかな口当たりが特徴です。

記者レポート「池月などでおなじみの鳥屋酒造の敷地内に作られたのが、こちらNOTO Naoraiです」

2025年4月、中能登町一青に「浄酎」の生産拠点として開設された「能登浄溜所」。広島県で浄酎を生産してきたナオライが「NOTO Naorai」を立ち上げ、2025年6月から「浄酎 White」の生産が始まりました。

NOTO Naorai 三宅紘一郎社長「私たちナオライは酒蔵の再生ということをテーマに事業をしてまして、能登半島の酒蔵の再生ですとか地方創生に繋がる仕事がしたくてこの能登浄溜所を設立しました」

三宅さんが初めて能登を訪れたのは、2024年10月。目の当たりにしたのは震災の爪痕でした。

NOTO Naorai 三宅紘一郎社長「非日常な風景を私も何度も拝見しています。その中で、これからの未来をどのように作っていくかという思いを持たれている方、非常に多いと思いましたので、何か自分たち「NOTO Naorai」もこの地域に貢献できることをやりたいなと思いながら過ごしてました。」

スタッフには中能登町に移住してきた20代から30代の若手4人を採用しました。全員、酒に関わる仕事は初めてです。

NOTO Naorai 菅井慎吾さん(生産担当)「僕も今年に入社しましたけれど、この機械で新しい何かお酒ができるっていうのを是非自分も作ってみたいなぁと思っていました。それで、この作った酒でみんなが飲んでるような状況で『僕が作った』っていう風な感じで言えたらなぁと思っている」

8月20日、造った酒を瓶に詰める「充填機」が導入されました。大量流通を目指す上で欠かせないシステムです。

NOTO Naorai 菅井慎吾さん(生産担当)「これまでは手充填、手詰めでやってましたので、なるべくちゃんと衛生的にやらなければいけないとか思いましたが、機械が入って衛生面の部分でも安心してやれることが今回この充填機入って一番大きいなと思いました」