読書が“ノイズ”に!? 読書離れがもたらす危険とは

2024年、文化庁が1か月に読む本の数を調査したところ、1冊も「読まない」と答えた人の割合が62.6%にのぼりました。さらに、全国の書店数はこの10年間で、約3割も減少しています。

街の女性
「あんまり長時間、文を読むのが苦手で」
「最後に読んだのは1年前ぐらい。携帯とかで情報得られるので」

著書「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」が話題となった、文芸評論家の三宅香帆さんは…

文芸評論家 三宅香帆さん
「たとえば自分の何か知りたいことを調べようとすると、本だとその周辺にある『なんでこれが起こったのか』『どういう経緯でこれが起こったのか』みたいなことまで教えてくれる。でも今、インターネットで調べるのに慣れてしまった現代人にとっては“ノイズ”に感じてしまう」

いまや多くのひとが、知りたいことに直接答えていない情報は煩雑で余計な“雑音”、いわば“ノイズ”と感じてしまうというのです。

例えば「今世界で戦争が起こっている理由」を考える時、戦況などはSNSでも、すぐ得られますが、本からは、背景となる文化や歴史などの本質的な知識や深い教養が得られます。にもかかわらず、進む「読書離れ」。三宅さんは、その弊害に警鐘を鳴らします。

三宅さん
「SNSや短い動画ばかりに慣れていくと、自分の知っている範囲のことだけを楽しむような情報環境になる怖さはある。本離れが起きていくと、世代やバックグラウンドが違う人とか、自分にとって心地よくない意見を受け入れづらくなっちゃう」