選手のため…何が最善?スポーツの魅力とは
藤森キャスター:
山﨑さんはパラリンピアンとして、こうした注目をされる中で障害について伝えられることは、どのように捉えていますか。

東京・パリ パラリンピック 男子やり投げ入賞 山﨑選手:
僕はすごく喜ばしいことだと思います。スポーツにおいては結果が全てだという言葉もあるとは思うんですけれども、それよりも選手の背景、見えない部分を伝えることが、その人の魅力を引き出し、心を惹きつける条件になるかなとも思っています。
もちろん応援してくれる人も増えると思いますし、大事なことだと思っています。
藤森キャスター:
ただ、「障害には触れて欲しくない」という選手や、こういうバックグラウンドを扱って欲しくないという人たちもいっぱいいると思います。そういうところはしっかりと守りながら伝えていくのは当たり前ですよね。

教育経済学者 中室牧子さん:
心理学には、「ステレオタイプの脅威」という言葉があります。何かというと、例えば「女子は数学が苦手」、「勉強ができる人は運動ができない」みたいな感じで、ステレオタイプが知られると、それが自分の行動に影響してきてしまうという話があります。
選手についての報道があるときは、例えば「障害を持っている選手は何々だ」みたいなレッテルを貼るということに繋がらないようにすることは、とても大事じゃないかなと思います。
藤森キャスター:
最初から意識してレッテルを貼ろうとして伝えてはいないと思いますが、無意識のうちにそっちばかりに気がいってしまうことは、本当に気をつけなければいけない。

小川キャスター:
どんどんそのイメージが膨らんでいってしまうというところもありますし、ひとくくりにしないということでしょうね。
東京・パリ パラリンピック 男子やり投げ入賞 山﨑選手:
やっぱり人それぞれだと思うので、そこに寄り添っていくことが大事かなと思います。
藤森キャスター:
選手の皆さんにとってのスポーツの伝え方の最善の形は、他にどんなことを考えていますか。
東京・パリ パラリンピック 男子やり投げ入賞 山﨑選手:
やっぱり人それぞれだと思うので、素直に当事者の思いや考えていること、どんなことをしていったかというのを素直に正しく伝えていくことが大事かなとは思っています。
藤森キャスター:
試合に集中できなくなってしまうような伝え方というのは、もちろんもってのほかですし、逆に集中力や力に変える伝え方ができればいいなと思っています。
東京・パリ パラリンピック 男子やり投げ入賞 山﨑選手:
個人的な意見としては、パフォーマンスや試合に関しては報道とは全く別物だと考えていて、選手は結果を出すことに全てをかけなくちゃいけないので、僕みたいにそこまで気にしていない選手もいると思います。
小川キャスター:
山﨑さんご自身は、報道の仕方によって左右されるということはないんですね。
東京・パリ パラリンピック 男子やり投げ入賞 山﨑選手:
ただ気にしちゃう選手もいるとは思うので、そこは人それぞれですよね。
小川キャスター:
本当に個々の選手の皆さんにリスペクトを持って見ていく、そして伝えていくということが全てでしょうね。