青森県十和田市休屋で、平年の8月1か月分を超える記録的大雨となるなど県内では21日未明にかけて各地で断続的に雨が降り、通行止めや鉄道の乱れなど県民生活への影響が続いています。雨のピークは越えましたが、津軽では24日に再び『警報級の大雨』となる可能性があり、引き続き土砂災害などに注意・警戒が必要です。
県内では「大雨警報」が一時、18市町村に出され、20日夜~21日未明にかけて強い雨が降るところがありました。
須崎蓮 記者
「午後11時前の青森市です。声がかき消されるほど強い雨が降っています」
午前5時までの48時間降水量は、十和田市休屋で294.5ミリと、観測史上最大となり、平年の8月1か月分を大きく上回りました。
このほか、東通村小田野沢や三戸などで100ミリを超えました。
その後、雨は小康状態になり、県内に出されていた「避難指示」と「土砂災害警戒情報」は全て解除されました。
避難指示の対象は4つの市と町で約5000世帯、1万1000人以上となりましたが実際に避難したのは67人にとどまりました。
県によりますと、これまでに人的被害は確認されていませんが建物の浸水のほか、十和田市などで土砂崩れが起きています。
気象台によりますと、大雨のピークは越えましたが、これまでに降った雨の影響で地盤の緩んでいるところがあるため、土砂災害などに引き続き注意が必要です。
また、24日には再び低気圧や前線の影響によって津軽では『警報級の大雨』となる可能性があるとしています。
観測史上最大の大雨に見舞われた十和田湖畔では、床上浸水したホテルもあります。夏休みシーズンに観光の要である奥入瀬渓流沿いの国道などで通行止めが続き、キャンセルも出て大きな打撃となっています。
19日に十和田市休屋地区で撮影された雨の映像。1時間に61ミリ、非常に激しい雨が観測されました。動画を撮影したのは、十和田市休屋地区にあるホテル「十和田湖畔 桜楽」です。
大雨により大浴場は床上浸水するなどの被害を受け、21日は櫻田百合子 市長が視察に訪れました。
十和田湖畔 桜楽 鳥谷部純一 支配人
「これまでも大雨でしめったりすることはあったが、今回のように水が多く流入してくるのは初めて。人の腰くらいの高さまで浸かる水が溜まりつつ、この辺も冠水した」
ホテルがある場所は周囲に比べて低いため、降った雨が集まるような形になり流れ込んできました。このため、大浴場が床上浸水、調理場が床下浸水となりました。
ホテルは営業を続けていますが、雨の影響で20日~21日にかけて8組から予約キャンセルの連絡があったということです。
十和田湖畔 桜楽 鳥谷部純一 支配人
「昨日につきましては、ほとんどのお客様がキャンセルという状況。依然として問い合わせがきている。当面はそのような影響がある。いたしかたない部分はあるが、一刻も早くアクセスを復旧してもらえれば」
記録的な大雨となった休屋にある十和田湖周辺では、現在も国道102号と103号の3つの路線で交通規制が続いています。奥入瀬渓流沿いの国道102号では、雨が上がった21日も茶色く濁った水が勢いよく流れています。
道路に流入した土砂を撤去する作業が行われていますが、観光の要となる路線の通行止めは夏休みシーズンに大きな痛手となります。
十和田市 櫻田百合子 市長
「いまが一番行楽シーズンだったことを大変残念なことだと思っていますし、なによりも市として対応できることは対応していきますし、国・県で対応していただきたいことに関しましては、きちんと伝えていきたい」
休屋地区ではほかにも、土砂とともに流れてきた木が突き刺さった物置小屋もあります。
記録的な大雨で甚大な被害を受けた十和田湖。
一刻も早い復旧へ、関係者の懸命な作業が続きます。