シリーズでお伝えしている「きょうの縄文」。宮城県多賀城市の東北歴史博物館で開催中の「世界遺産縄文」展では縄文時代の土偶や土器、およそ420点が並んでいます。今回紹介するのは「遠くから運ばれた石」です。

静かに光る、深い黒。天然のガラス、黒曜石です。日本各地に産地がありますが、特に長野県や北海道では良質なものがとれました。加工しやすく、狩りの道具や調理用のナイフなど様々な用途に活用された黒曜石。縄文時代の人たちにとって、欠かせない存在でした。

黒曜石に含まれる元素は産地ごとに特徴があり、成分を分析すると、どこでとれたものかを調べることができます。青森県の三内丸山遺跡からは北海道産の黒曜石などが見つかっていて、遠く離れた場所の人々とも交流があったと見られています。

東北歴史博物館学芸員 小野章太郎さん:
「三内丸山は他の周りのムラと比べて特に大きなムラだったと見られている。大きなムラには人が多く集まるとともにいろんなものが集まってくる。その中でも遠くから運ばれてきたものがありました」
縄文時代の人たちもプレゼント交換?していたのかもしれません。