犯罪被害者とその家族への支援の課題「支援」

「2番目の『犯罪被害者とその家族の直接支援』は、同じ被害、同じような痛みを受けた人間同士だったら、ある程度分かり合える部分もあるのかな、と思って述べています。まだ『直接支援』は私は2件しかできていなくて、東京の人と千葉の人の2組だけです」

「3番目の『経済的支援』というのは、よく考えていただきたいんですけど、いま被害にあわれた被害者に対して、配給金というのを警察が作ってくれています。『一番最初はまぁ、どうかな?』と思ったんですけど、最近では枠が広がりました」

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「5年ほど前ですね、この配給金というのは、申請していつもらえますか?と尋ねたら、警視庁、警察庁の回答は6.8か月と言われました。翌年、同じことを聞いたら、6.7か月と言われました」

「1%、どういう努力で1%なのかなと不思議に思ったんですけど、『あすのごはんが食べられない人に対して、6.8か月後に何の役に立つんですか?』ということですよね」

「保証金の代わりになっているわけではないので。いま、けがをしたり、傷を負ったりしている人というのは、厚いケアだと思います」

「最近は早く出せるようになったと聞いています。だけど本当に遅いのと、行政などに関わっている人にちょっと考えてもらいたいんですけど」

「たとえば、『お父さんを亡くした。お母さんは専業主婦だったけど、仕事をしなくちゃいけなくなった。家で事件が起きました。家の中が血だらけです。住むことができません。引っ越ししないといけません。仕事も探さないといけません。家はローンが残っています。ローンをしながら新しい家を借りないといけません』。誰がどのように救ってあげられますか?」

「これができるかどうか。あした一家で食べるお金が無い。コンビニのおにぎりも買えない。こういう状況の時にどういう手助けができますか?」

「現実にはあるんですよ。全員じゃないですよ、ほんのごく一部。ほんの0.何%かもしれません。そういうことが起きえます。そういう時にどういう手助けができますか?ちょっと考えていただきたいです」

「ある有志の方が『じゃあ、これでごはん食べて』と言って出してくれる人はいると思います。全員じゃないですよね。1週間ぐらい続くかもしれません。その後、継続的に安定的に暮らしていけるように、どうできますか?」

「なんだかんだ経済支援が無いと難しいんですよ。本当に。これを何とかしてほしい。20億ですよ。これを何とかしてほしいと思ったんだけど、どこも何もしない」

「やってもものすごく時間がかかって遅い。いま困ってるのに、3年後の未来のこと考えられても困るでしょ。いまだったら、いま対処しないと何の意味もないですよね。いまのいま対処することができる体制を作って欲しいわけです」

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「私は、『国がやらないんだったら、やろう』と思って動きました。『自分がお金を一つも出さずに給付金を出してくれ』というのは恥ずかしいなという思いがあったので、自分がここまでやったけど、ここまでしかできない。だけど、こうしたいからみんなの力を借りたいんだといえば、筋道が通るかな、納得してくれるかなと思って、やろうとしたんですけど」

「私の背中にいろんなものがかかってきてるんで、ちょっと背負ってしまいました。ちょっと中座してます、当然のことながら。だけど諦めてません。私は85歳までは活動しようと思ってるんで、まだ10年そこらは頑張れるということで、諦めたらその瞬間から失敗なんで」

「最終的にどうなるか分かりませんが、私は私なりのことをやっていこうと思っています。誰が何と言おうと。妻から猛反対を受けてますけどね」