事前調査で「営巣なし」事業者主張
メガソーラーの工事を行っているのは、大阪に本社を置く「日本エコロジー」。その責任者に話を聞くと…

日本エコロジー 大井明雄 営業部長
「資料を出して『工事をしますよ』と市役所に受理印をもらったのが去年。そこから、念のために今年まで工事を延ばした。すぐに『ええからやってしまえ!』そんなことは絶対にしません」
2023年に釧路市が施行した「太陽光発電施設の設置に関するガイドライン」では、事業者は工事60日前までに市長宛に届出書を提出し、工事前には、生物調査の結果を釧路市立博物館に提出する必要があります。
日本エコロジーは、専門業者に希少生物の事前調査を依頼。

タンチョウの調査依頼を受けた専門家は、日本エコロジーから聞いた現場の状況と過去の調査結果をもとに、「タンチョウは営巣していない」との見解を示したといいます。
――離れた場所に建設すれば、ここまで批判の声はなかったのでは?
大井明雄 営業部長
「ですよね。結果的にちょっと近くなってしまったのは申し訳ないと思うが、市の指定の調査会社に全ての猛禽関係などの調査をしてもらった」

工事現場は国立公園外の民有地であり、自然公園法の規制はかかりません。また建築物でもないため、ソーラーパネルの設置が可能です。
大井明雄 営業部長
「従来のやり方で、希少生物だけを守ろうという方たちの意識の格差がこれだけある。私らは共存、あくまで希少生物とこの開発、太陽光の再生可能エネルギー、この共存です」
メガソーラーの建設は、2025年内に完了する予定だということです。
記者
「釧路市内、ソーラーパネルがあちこちに設置されています」
いま釧路湿原の周辺は、太陽光発電施設の建設が相次いでいます。

釧路市では、2012年は25か所でしたが、現在は555か所に急増していて、この状況に著名人らからは「環境破壊」を指摘する声が上がっています。
釧路市は2025年6月、全国で2例目となる「ノーモア メガソーラー」を宣言。事業者に対し、設置場所の選定や自然環境の影響を考え、慎重に検討するよう求めました。

釧路市 太陽光発電施設対策主幹 西村利春さん
「貴重な財産であり、誇りでもある自然環境を守る必要があるということから、自然環境と調和がなされない太陽光発電施設の設置を望まないという意思を宣言」
Xに動画を投稿をした齊藤代表はこう話します。

齊藤慶輔 代表
「地球温暖化を防ぐものとして、温室効果ガスを出さない発電というのは重要だと私も認識している。人間ファーストでも動物ファーストでもなく、きちんとした共生への道を選ぶべきだと思う。しっかりとルール作りをして、それにみんな従って、自然環境、地球を守る、その方向で動いてもらいたいと思う」














