来月から流通する新米の価格の見通しについて、農家やスーパーの店長、経済評論家などに取材しました。
これから新米の季節 気になるお値段はどうなる?
出水麻衣キャスター:
「きょうのお値段」は先日発表された全国のスーパーなどで販売されたコメの平均価格「3737円」。
8月4日〜10日のスーパーでのコメ(5キロ)の平均価格は、前の週から195円増えて、3737円となりました。この価格は銘柄米とブレンド米の平均です。
銘柄米とブレンド米を個別にみると、備蓄米を含む「ブレンド米」の平均価格は徐々に下がっているのに対し、銘柄米はほぼ横ばいとなっています。

【スーパーでのコメの平均価格】8月4日~8月10日
(株)KSP-SPが提供するPOSデータに基づき農林水産省にて作成
▼銘柄米:4239円(前週+37円)
▼平均:3737円(前週+195円)
▼ブレンド米(備蓄米含む):3190円(前週+191円)
出水キャスター:
コメの価格で注目すべきなのは、新米が本格的に出回る9月以降の値動きです。
すでに、JAから生産者に前払い金として支払う「概算金」も上がっている傾向のため、新米の価格も上がるのではないかとみられています。
専門家に試算を出してもらいました。

【9月以降の新米(5キロ)の価格どうなる?】専門家らの試算
▼農業法人「トゥリーアンドノーフ」 徳本修一氏
→4000円~5000円台前半
・需要と供給のバランスが崩れている
・高温障害があればさらに上がる
▼小池精米店 小池理雄氏
→3800円~6000円
・暑さから収穫量減
・さらに収穫しても60キロのうち2割はできが悪く廃棄に
▼スーパーマルサン 八木栄樹店長
→4000円~4500円
・円安や人件費・燃料費の上昇を考えると正当なお値段
▼元農水官僚 東京大学 鈴木宣弘教授
→4000円超え
・不足感から集荷競争が激化しているため、生産者設定の価格が高騰
▼経済評論家 加谷珪一氏
→3000円台後半
・増産の可能性が高いため価格は下がるはずだが、猛暑で生育が読みにくい

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
生産地の反応を聞くと、ガソリン代や輸送費がすごく高くなっているため、この値段で一息ついたという感じです。
もう(コメの価格は)下げられないので、国は低所得の人に対する給付金や減税をやらなくてはいけません。
しかし、残念ながら国会はずっと夏休みが続いていて、このままだと9月中も休みなのではないかとみられています。その辺の動きが鈍いのは気になります。
井上貴博キャスター:
専門家によって3000円〜6000円まで(試算価格の)幅があります。
これからコメの増産に向かうのはいいと思いますが、落ち着くまでは毎年、不安定なのでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
需要と供給がアンバランスで、買いだめなどもあるでしょうから、恐らくこうした流れに翻弄されるでしょう。