「令和の米騒動」で注目が高まる新米の価格。農協が生産者からコメを買い取る際に支払うことしの概算金について、直近の20年間で最高の60キロあたり2万6000円台になったことがわかりました。JA全農とやまは、生産コストが上昇する生産者の事情も考慮し「生産者と消費者が互いに納得する価格の形成」を強調しています。

JA全農とやまによりますと、各銘柄におけることしの概算金は以下の通りです。
(昨対比は、12月時点の概算金との比較)

富富富:2万6800円(+5900円)
コシヒカリ:2万6000円(+5900円)
てんたかく:2万6000円(+6800円)
てんこもり:2万6000円(+6800円)
その他:2万5500円(+6800円)

現時点では作柄や需給の動向を反映していない仮のもので、単純な比較はできませんが、直近の20年間で過去最高額ということです。

価格設定の背景についてJA全農とやまは、ことしは猛暑や虫害、大雨の被害などからコメの収量や品質が懸念されている一方、「令和の米騒動」をめぐる一連の報道を踏まえ5キロあたり3000円台が、消費者にとっての適正な価格であると判断したということです。

また、原料費や農機の減価償却費の高騰といった生産コストが高まっている現状を踏まえ、生産者が持続的に経営できる手取りを今回の概算金に反映したとしています。

JA全農とやま 西井秀将本部長
「生産者の皆さんと消費者の皆さんがお互い納得できる価格をわれわれJAグループが主体的に形成していくということが最も大切なことなのではないかと考えた。誰も無理しない持続可能な価格になっていく、それが適正な価格ではないのか」