記録的な大雨は日本一の生産量を誇る「イ草」の産地にも影を落としています。
イ草農家 田淵稔さん「だいたい52cmから55cmくらいのところが水没してしまった」

熊本県の八代平野で、畳表の原料となるイ草を生産している田淵さんです。
湿気を避けるため黒いビニールで覆われたイ草は大雨で水没しました。
田淵さん「少しの湿気でも吸い込むと色が変わって、商品価値はゼロですね」
被害は1400枚分、生産量の15%ほどで、金額にすると300万円にも上ります。

田淵さん「今年のイ草はちょっと少な目の収量だったので『今年は我慢しながら節約しながら食べていけば1年繋げるかな』と思っていた時ですよね。被害は意外と、ききました」
八代市によりますと、複数のイ草農家から同じような被害の報告が入っているということです。
畳が「全国的に品薄」の危機
熊本県産のイ草は国内の生産量の9割以上を占めていて、その大部分が八代平野で生産されています。
一大産地での被害に、八代市の畳店は「畳が全国的に品薄になる」と危機感を示しています。

疋田畳工場 疋田憲一社長「他県の畳店から連絡をもらうが、産地が壊滅的になっているので、畳表がかなり品薄になるのは間違いないです」
そのうえで疋田さんは「今後、行政や関係機関が連携して、イ草の生産者をサポートする必要がある」と訴えています。