この時期、親子で自由研究に頭を悩ませている方も多いかもしれません。そこで19日は科学のプロに簡単にできる自由研究を教えてもらいました。訪れたのは別府市にある子ども向けの科学実験教室「うちらぼ」です。
医学と情報工学の博士号を持つ加世田国与士さんは自宅に研究室を開設し、妻の千絵さんとともに実験や研究の楽しさを伝えています。加世田さんに今からでも間に合う自由研究を教えてもらいました。

(加世田国与士さん)「『抗酸化作用』美容とか健康に良さそうですよね。そういう作用を持つものを調べる難しい言葉で言うと酸化・還元の実験です」
美容や健康によい抗酸化作用のある物質を調べる実験に必要なのは、ヨウ素系のうがい薬と水、それに野菜や果物、お茶など調べてみたい食材です。

まず、うがい薬を水で薄め製氷皿につぎ分けます。
(加世田国与士さん)「ビタミンCとかポリフェノールとかそういった抗酸化物質が入っているかどうかを調べる試薬が出来上がりました」
それぞれ食材を入れ調べていきます。まず、緑茶を混ぜてみるとー。
(加世田国与士さん)「色が変わりましたね。今まさに還元された瞬間です。カテキンとか言いますよね。抗酸化作用って見事にそれが証明された」

リンゴや大根でも試してみると透明になり抗酸化作用があることがわかります。一方、加工されたレモン汁は色が変わらず、生のレモンだと色が変わりました。理由を聞きました。
(加世田国与士さん)「味を出す成分と抗酸化作用に関わる成分は違っていて、生のものには抗酸化作用を持つものが入っているけど、加工されたものにはその力がなくなっているということ」
また、混ざったものを別々に分ける科学技術は、コーヒーフィルターと水性ペンで実験できます。水性ペンのインクが水やフィルターの親和性の違いによって徐々に分離していき、色の成り立ちを視覚的に学ぶことができます。

(加世田国与士さん)「自由研究は100年くらい続いている。なぜかというと大事だから。きまりがないだけにどうすればいいかと思われると思うが、結果や枠にとらわれないで興味に沿ってやってみることが大事かなと思います」
子どもの探求心や考える力を育む自由研究。頑張った成果はこの夏の宝物になるかもしれません。