当初より発言がマイルドに…トランプ大統領の思惑は

高柳キャスター:
米ロ首脳会談の開催が発表されたのは、8月8日でした。

当初、トランプ大統領は「双方の利益になるように、領土の交換が行われるだろう」と発言し、ロシアとウクライナ間の領土の交換について言及していました。

しかし、8月13日には「今回の会談は、現在地を確認するようなものだ」と発言がマイルドになったような気もします。

小川記者:
今回の首脳会談が、和平交渉を巡る大きな進展が望めない中、首脳会談への批判をかわす狙いもあるとみています。

8日、首脳会談の開催が決定した際には、トランプ大統領は領土の交換について言及しましたが、当事者であるウクライナ抜きの議論に、ウクライナやヨーロッパが反発したのはもちろん、ロシア側もトランプ大統領が言う「領土交換」には納得できない姿勢を示しました。

このように依然として領土問題が平行線をたどる中、今回の首脳会談で停戦の道筋を見出すのは難しいとみられています。

こうした中で、トランプ政権は、会談の期待がされすぎないよう、少しずつ発言をトーンダウンし期待値を下げ、予防線を張っている形です。

一方、万が一領土問題に関する進展があれば、サプライズとして思いきりアピールできるため、どちらに転んでもいいような流れを作っているようにも感じられます。