火ダネ④遺言書『お父さん認知症やから、内容は無効や!』

 これまで、相続トラブルの解決策として挙げてきた「遺言書」ですが、この遺言書も火種になる可能性があります。というのは、“認知症”になったときの遺言書は法的に無効になることが多いというのです。また、危篤状態のベッドの上で無理やり書かせたような、“震える手”で書かれたような遺言書で揉めることもあるそうです。

 こうしたトラブルを避けるために、公証役場で公証人が遺言者の意思を確認して法律に基づき作成する「公正証書遺言」を利用する手もあります。ただ、意思能力の判断まではしていないため、「認知症の母が“調子のいい日”に書いた遺言書」をめぐって後々揉めるケースや、公正証書遺言が無効とされるケースもあるようです。

 この場合、遺言書を書いた後に、心療内科などを訪れ「意思能力に問題なし」ということを医師に診断してもらうと良いそうです。万全を期すならば、遺言書を書く前と後、両方で診断してもらえば、有効とされる可能性が高くなるということです。