日が傾き始めた夏の夕暮れ。公園の木陰や街灯のまわり、あるいは家の窓辺に「ブーン」と音を立てて飛んでくる、少しキラリと光る虫を見たことはありませんか?
カナブンにそっくりなムシがいる
小さなお子さんなら、図鑑で見たカブトムシやクワガタと一緒に樹液を吸っているカナブンの姿を思い出し、「カナブンがいた!」と喜ぶかもしれません。
けれど、実際に都市で見かけるものの多くは、残念ながら本当の「カナブン」ではない可能性が高いのです。
昆虫の生態などに詳しい東洋産業の大野竜徳さんに聞きました。
ーカナブンにそっくりだという昆虫は、何なのでしょうか。
(東洋産業 大野竜徳さん)
「その正体はアオドウガネやドウガネブイブイといった、コガネムシ科に属する昆虫たちかもしれません。
アオドウガネは、体長2cmほどの中型の甲虫です。
名前の通り、青緑〜緑色を帯びた金属光沢のある体をしており、つや消し加工されたような鈍い輝きが特徴です」【画像①】

(東洋産業 大野竜徳さん)
「アオといっても、明るい青ではなく蒼に近い緑に近い深い色合い。個体差も大きく、銅色に近いものや、鮮やかな緑色に見えるものもいます。
名前の『ドウガネ』は、『銅金(どうがね)』の色、体色に由来しています。
『ブイブイ』は、飛翔時の羽音『ブィーン、ブブブブ、ブィーン…』にちなんで名付けられたという説が有力です。
