海上自衛隊・鹿屋航空基地で21日、アメリカ軍の無人偵察機・MQ9の運用が始まりました。運用期間は「1年間」とされていますが、日米関係の専門家からは「延長もあり得る」との見方も出ています。
21日午前8時前、アメリカ軍の無人偵察機「MQ9」1機が、鹿屋基地の西、鹿児島湾方向へ飛び立ちました。
日米両政府は、日本近海などで活動を活発化させる中国軍を監視するため鹿屋基地に「MQ9」を配備し、21日から運用を始めました。防衛省は「米軍の運用に関わる」として、詳しい飛行ルートや今後の飛行予定を公表していません。
いよいよ始まった運用に市民は。
(60代・自営業)「(監視)体制は必要。気がかりだろうが、皆さん静観しているのでは」
(30代・会社員)「(飛行に)気がつかなかった。無事に運用されたら、今後、安心という気持ちもある」
(70代・主婦)「私は安心だと思う。様子を見た方がいい、1年間」
防衛省によりますと、鹿屋基地に配備されるMQ9は8機。全長およそ11メートルと、セスナ機よりやや大きい程度です。機体前方には高性能のセンサーがあり、相手の艦艇などを昼夜・天候に関わらず撮影できます。時速は333キロ、滞空時間は32時間で、台湾周辺を含む東シナ海を中心とした海域を監視できるとされています。
中国の海洋進出、台湾有事への懸念など、日本を取り巻く安全保障環境が変化する中、アメリカ軍と防衛省は運用期間を「1年間」としています。
この期間について市民は。
(80代・主婦)「1年と言っているが、終わらないかもしれない。どうなるか」
(20代・会社員)「しっかり説明してくれれば大丈夫。(延長なら)なぜ延びるのかを」
本当に「1年間だけ」と言い切れるのでしょうか?
(米・戦略国際問題研究所 ニコラス・セーチェーニ上席研究員)「一般的にこのような機体の運用は、日本周辺の安全保障環境に大きく依存する」
日米関係などを研究するアメリカのシンクタンクの研究員、ニコラス・セーチェーニさんは、配備期間は「安全保障環境に左右される」との見方を示します。
(ニコラス・セーチェーニ上席研究員)「(MQ9を運用した結果)日本周辺海域の情報収集や警戒の必要性が高まり、さらに監視が必要になれば、延長される可能性はある。なぜ鹿屋に配備が必要なのか、住民に丁寧に説明することが非常に重要」
MQ9の運用に伴い、鹿屋市にアメリカ軍関係者が駐留する中、3日前、軍の隊員が運転する車がスクーターと接触し、女子高校生がけがする事故が発生。これについて、中西市長と塩田知事は。
(鹿屋市・中西茂市長)「(事件・事故を)起こさないことはもちろんだが、初動態勢、連絡報告をしっかりしていただきたい」
(塩田知事)「残念ながら事故が起きたが、対応をしっかりと行うよう、改めてお願いしたい」
運用は1年間で終わるのか?鹿児島では初めてとなるアメリカ軍の駐留は本格的に始動しました。
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