かつて訓練基地があった山口県平生町で、人間魚雷「回天」の特別展が開かれています。

阿多田交流館で開かれているのは特別展「平生基地から出撃した若者たち」です。当時の写真や搭乗員の書いた「自啓録」、元搭乗員が出撃の様子を描いた絵などが展示されています。

「回天」はおよそ1.5トンの爆薬を載せた魚雷を人が操縦し、敵艦などに体当たりする特攻兵器です。
周南市大津島、光市、平生町の基地から多くの若者が出撃し、命を落としました。
平生基地では搭乗員9人が亡くなり、平均年齢は20.5歳でした。

特別展は戦争の悲惨さを伝え、平和について考えてもらおうと戦後80年の節目に合わせ企画されました。
8日は搭乗員だったものの出撃前に終戦を迎え、回天の中で自決した橋口寛大尉のめいが鹿児島県から訪れました。最近になって伯父が回天の搭乗員だったことを知り、初めて訪れたといいます。
「回天」搭乗員橋口寛大尉のめい
「こういったことが二度と起こらないように、自分が知らないことを知らないといけないなということで来ました。伯父の死をむだにしないように、ここにいらした方が少しでも何かを感じていただけたらと思います」
特別展は9月21日まで開かれています。