宮城県大和町の住宅に7日、クマが侵入し窓ガラスが割られるなどの被害が出ました。
クマの生態に詳しい専門家は「暗い場所を求めて住宅に入ったのではと」と分析しています。

住人:
「なんでこんなところにクマが入るんだろうと思って。不思議でした」

「驚きを隠せなかった」と話す住人の男性。7日正午頃、宮城県大和町吉岡の住宅で玄関のガラスが粉々に割れているのを帰宅した住人が見つけました。

床や畳には、引っかいたような跡や血痕が残されていました。男性からの通報を受けて警察や猟友会が駆けつけ、室内に残されていた足跡などからクマと断定しました。

当時、家には誰もおらずけがをした人はいませんでした。

住人:
「最初、中にいるのかどうかわからなかったので、入るのも怖かった」

クマの生態に詳しい森林総合研究所東北支所の大西尚樹さんは、クマは暗い場所を求めて住宅に入ったのではと分析します。

森林総合研究所東北支所動物生態遺伝 大西尚樹チーム長:
「クマからすれば暗い洞窟のような、穴のようなものに入った感覚だと思う。建物の屋内と屋外を分けるガラスという存在があるのに、と思うかもしれないが、クマにとっては存在しないに等しい」

また、2025年はクマの出没が増える年になると予測しています。

森林総合研究所東北支所動物生態遺伝 大西尚樹チーム長:
「東北地方は出没が多い年にあたると思う。植物の実りは、いい年と悪い年があるので、今年は実りが悪い、クマにとってえさが少ない年」

防災無線:
「大和町内でも多くのクマによる被害や目撃情報が寄せられています」

大和町では、今年度、35件のクマの目撃情報があり、このうち3割が市街地でした。

県は、8月末までクマ出没警報を出していて、生ごみを放置しない、また、クマ鈴やラジオを鳴らすなどの対策を取るよう呼びかけています。