福島県内で長く愛されている老舗の今を伝える「老舗物語」。
90年以上続く郡山の老舗漬物店「小田原屋」。
伝統を守りながらも、時代の変化に対応した新たな商品作りに取り組み、それがいま人気を集めています。
カラフルなラベルに描かれている、なんともユニークなイラスト。

思わず手に取ってみたくなってしまうこちらは、インターネットや雑貨店、道の駅などで販売されている“食べる調味料シリーズ”。
いま、アメリカやスペイン、台湾など世界にも広まっています。
食べるオリーブオイルは、素揚げのニンニクをオリーブオイルに漬け込んだひと品。そのまま、ピザやトーストにかけたり、パスタに使ったりとその手軽さも人気の秘密です。

この商品を開発したのが、郡山市の小田原屋。
漬物をつくり続けて90年以上の歴史を誇る老舗です。
漬物店ながら“食べる調味料シリーズ”を開発したのは、4代目の芝田机太郎代表です。
芝田代表
「祖父や父の考え方として、どんないい事業も30年。その30年の中で次の柱となるものを見つけないといけない」
長年作り続けている漬物のほかに、時代の変化に対応した商品を生み出していくことを昔から教えられていたそうです。
柴田代表
「父からは“メーカーは商品だ”と。営業力とかなんとかと言うけど、ヒット商品を出すことで繋いでいけると。」
2009年頃に取り組んだのが・・・
柴田代表
「食べるラー油が流行っていて、ニンニクを付けてるし、漬物店だし、作れるんじゃないかなと。ただ食べるラー油は料理が限定される。何にでも使えるものがいい。」
そこで、いろいろなものに使えるものとして「食べるオリーブオイル」を開発しました。
柴田代表
「地方のメーカーのよくわからない商品を、足を止めて手に取ってもらうことが、
まず難しかった。」
味には自信があっても、なかなか売れない状況を打開するために・・・
柴田代表
「スーパーに卸すのではなく、雑貨店などで販売した。」
さらに、そのタイミングで、より目をひくパッケージデザインに変えました。
柴田代表
「キモカワイイっていうのは記憶に残る。」
インパクトのあるデザインで、使い方の手軽さ・幅広さ、そして商品のバリエーションも増やしたことで瞬く間にリピーターが増えました。
いまでは10種類以上の“食べる調味料シリーズ”があります。
ナッツと小海老のラー油はカツオのお刺身に。

ナッツとじゃこのオリーブオイルは納豆に。

それぞれしょう油の代わりにかけるだけ。
柴田代表
「油が口をコーティングするので臭みを感じさせづらくしてる。納豆を食べていたら通常感じられないザクザク感、じゃこが入って日本人の好きな味ですね。」
伝統を守りながら、時代の変化に対応した商品作りを目指してきた小田原屋。
食べる調味料シリーズが好調なことで、昔から続く漬物づくりにも変化が生まれています。
柴田代表
「漬物はここ15年くらい、原料は国産でいこうと、つけ方も無添加でいこうと。
いまはこの食べる調味料シリーズが売れているので、漬物は売れなくてもいいので、もっとこだわって作っていこうというのが方針。」
『ステップ』
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2025年8月7日放送回より)