需要を増やすためには「もっと食べる」「輸出増やす」

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 折笠主席研究員は、「今後の適正価格は、平均すると5kg3500円くらいではないか」としたうえで、「需給バランスが重要。コメを増産するなら需要も増やさないといけない」と話します。

 需要を増やすためには、▽みんなでもっと食べる▽輸出を増やす、ということです。
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 1人1年あたりのコメ消費量は、60年間で半分以下に減っていて、消費量を増やすためには、例えばカレーライス専用の華麗米や、米粉の活用など、新しい選択肢でコメをもっと食べてもらう工夫が必要です。また、輸出に関しては、年間のコメ輸出量は右肩上がりで増えているものの、その量は2024年で約4.5万tとわずか(農水省調べ)。政府目標では2030年までに35万t(2024年の約8倍)に増やすということです。

 輸出するうえでカギとなるのが「日本産米は海外で勝てる(売れる)のか」です。日本の国産米は高いとはいえ「売れる」と考える専門家もいる一方で、日本のコメはコストが高いことから「高すぎて売れないのでは?」という指摘も。日本のコメ生産量が減っていく中、世界のコメ生産量は右肩上がりで、さらに日本のコメづくりにかかるコスト(全国平均)はアメリカの7.8倍かかっているのです。