「教育とエンタメは別もの」──そんな常識が、今や時代遅れになりつつある。
先月(7月)開催された、日本最大級のスタートアップカンファレンス「IVS KYOTO」のトークセッションの中で、昨今、急増している教育とエンタメの掛け合わせ「エデュテインメント(エデュケーション×エンターテインメント)」の重要性について様々な意見が交わされた。
登壇したのは、ゲーム企業発のエデュテック推進者、知育アプリ開発スタートアップ経営者、そして現役小学校教諭で起業家という異色の顔ぶれだ。
彼らの言葉から浮かび上がってきたのは、今起きている「子どもの教育」の価値観の変革に伴って生まれつつある新たなビジネスチャンスだ。
増え続ける「学校では教えられないこと」

教育の定義は、かつてなく拡張している。立命館小学校の教諭であり、「桃太郎電鉄 教育版」などによるビジネスを展開する起業家でもある正頭英和さんはこう語る。
「時代の流れが加速したときに、教育や学びの定義が大きくなった。従来の学校や塾の守備範囲からこぼれる学びがすごく増えていて、そこに大きなビジネスチャンスがある」
金融教育、防災意識、STEAM領域、課題解決思考など──従来の学校教育では十分にカバーしきれない分野を学んでもらいたい、という保護者のニーズが生まれている。だが、それをどう“子どもたちが自発的に手を伸ばす形”で届けるかが、これからの課題だ。