計算機や腕時計など、正確さを追求し続けてきたカシオ計算機が開発した「ペットロボット」が人気だ。新たな分野に挑んだ狙いとは?

“リアル&愛おしい”5万円台のペットロボ

東京・世田谷区にある『蔦屋家電+』。
世界中のユニークな新製品などを紹介するショールームだが、中でも注目されているのが、AIペットロボットの「モフリン」(税込5万9400円)だ。

体長は18cmでウサギやモルモットぐらいの大きさ。体はフワフワの毛で覆われ、つぶらな瞳が2つ。耳や手足はないが、感情表現として体や首を動かしたり、鳴き声を変えることもできる。

「本物みたい。小動物、ウサギみたい。あっ鳴いた」(女性客)
「毛並みを通して動くから、本当の生き物みたいな感触が伝わってくる。メカメカしいと、その辺って伝わりづらい」(男性客)

2024年11月の発売以降、約5か月で目標を上回る7000個を売り上げ、多くのメディアに掲載されるなど話題を集めている「モフリン」。
開発したのは、腕時計「G-ショック」などで知られる『カシオ計算機』だ。

モフリンの開発担当・二村渉さん:
「“小動物の愛おしさをメカトロニクスで表現してみろ”という課題が与えられて、“愛おしさって何だよ”というところから始まった」

二村さんはこれまで電子計算機やプリンター、腕時計などの開発に携わってきたエンジニアだ。

二村さん:
「動物のビデオを見まくって模倣して『この動きいいね』とか。ただ、そういった要素を組み合わせていくと、このままいったら、ものすごくデカいものになって、価格が高いものになるというのに気が付いて『この要素だけは入れよう』みたいな“最小限”のところに削っていってモフリンになった」