7月29日~8月3日までの6連戦を4勝2敗で終え、マジックを34としている阪神タイガース(8月4日時点)。2日に神宮球場で行われたヤクルト戦では2022年以来の1試合で4本のホームランを放ち5対1で勝利しました。この中で2本のホームランを打ったプロ7年目の小幡竜平選手(24)について、阪神タイガースの元監督・矢野燿大氏が解説します。

プロ通算「2HR」だった小幡選手 直近8試合で「5HR」!

―――これまでプロ通算で2本のホームランだった小幡竜平選手ですが、ことしは直近8試合で5本放ち、攻守ともに躍動中。そんな小幡選手のポイントは?

(矢野燿大氏)「小幡選手が試合に使われるのは守備が良いから。僕はキャッチャーでしたが、守りで評価されると一番嬉しいんですよ。ただ、僕らは小さいころから野球をやっているので、やっぱり打ちたい。打ったら守備もリードもノってくるので、小幡選手はまさに今"ノッている”状態なんです」

「しかもバックスクリーンの少しレフト側のところにホームランを打てたというのもうれしいと思います。引っ張ってライト方向に打つのは飛距離が出せますが、逆方向、センター方向というのは距離が出しづらい。佐藤輝明選手のようなパワーのあるバッターはそこにも打てますが、そうでない選手はなかなか打ちにくいんです」

―――すごい打撃を見せた小幡選手ですが、一番求められているのは守備なんですよね?

「やっぱり小幡選手に任せれば大丈夫だなっていうところで藤川球児監督は使っていると思うし、ピッチャーからすると、小幡選手がいてくれると安心だなっていうところがやっぱ大きいので、やはり守備が一番大事です」

―――小幡選手をドラフト2位で指名したのが、2018年に矢野さんが新監督に就任されたときですが、2位指名した理由は?

「スカウトの評価がかなり高かった。特に肩が良いよってことで、3位指名では小幡選手は残ってないんじゃないかなというところで“先物買い”で小幡選手を獲得した」

―――セールスポイントは『肩』で、体が少し細くバッティングは伸びしろあり

「そうですね。一年目から出てほしいというところでは木浪聖也選手を獲得しました。小幡選手は3年、4年後に出てくれたらいいなというところでした」

―――今シーズン、レギュラー&ゴールデン・グラブ賞の最大のチャンスでもある小幡選手。矢野さんは監督時代に「良いところは肩の強さだけど、もう1つ前でとることがお前をもっと良くする」というふうに言葉をかけていたそうですね

「小幡選手は肩が強く捕ったらアウトにできるというところで、少し安全にボールのバウンドが長いところで捕球していました。時には体重が少し後ろにかかってしまって、捕ってから投げる動きが一連になっていない」

「中野拓夢選手の場合は、肩があまり強くないですが、足で捕れるんですよ。足で捕りに行ってショートバウンドの上がる途中で捕ると、捕る足と投げる足が連動していくので一連で投げられる。だから小幡選手にショートバウンドで捕れるようになったら、もっとスローイングも安定するし、もっと守備も良くなるよとずっと言っていましたので、だいぶそれができるようになってきてるかなと思います」

(2025年8月4日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)