「ハネる」と「踊り」の違い
青森市民なら一度は聴いたことがあるであろう「ねぶた音頭」。この曲が長く愛され続けてきた背景には、流し踊りと呼ばれる踊りの文化が関わっていました。
青森市の油川市民センターでは、『のぎわ龍紅会』の皆さんが集まり、踊りの練習に励んでいます。皆さんは、新舞踊や地域に根付く盆踊りなど、様々な踊りの文化継承と発展に取り組んでいます。
この日は、青森ねぶた祭の衣装を身に着けて稽古の真っ最中。


青森ねぶたといえば「跳ねる」というイメージがありますが、実は「跳ねる」と「踊り」は全く異なるものです。
『のぎわ龍紅会』講師 玖美龍 大友久美子さんに教えていただきました。
「跳ねる」は青森ねぶた祭の運行に参加し、囃子にあわせて跳ねるように踊ることをいいます。

一方、「踊り」は「流し踊り」と呼ばれ、踊り手が列をなして練り歩きながら踊ることをいいます。
消えゆく伝統「流し踊り」
かつて青森ねぶた祭りでは、跳ねるだけでなく流し踊りも重要な要素でした。しかし踊り手の減少などが理由で、2011年を最後に祭りからは姿を消してしまいました。
大友さんの説明によると、流し踊りの参加者はスピーカーから流れる「ねぶた音頭」などの曲に合わせ団体の前方で踊っていたそうです。
つまり、「ねぶた音頭」の曲が青森市民に馴染み深い理由の一つには、この「流し踊り」の存在があったのです。

