■フィギュアスケートGPシリーズ第5戦・NHK杯(19日・札幌)

フィギュアスケートのNHK杯はアイスダンスのフリーダンス(FD)が行われ、“かなだい”こと村元哉中(29)・高橋大輔(36)組が合計178.78点の6位で、前日のFD5位から順位を一つ下げた。小松原美里・小松原尊組は合計164.30点の9位で終えた。

今大会は10組で争われ、前日のリズムダンスで5位の村元・高橋組は6番滑走で登場。フリー曲は高橋が06-07年のシングルで演じた「オペラ座の怪人」で、“かなだい”としては日本初披露となった。冒頭で高さとスピード感のあるリフトで観客を魅了しレベル4を獲得するが、ツイズル(多回転の片足ターン)で少し2人のリズムが少しズレてしまう。後半は重厚な曲調に合わせ、後半は息の合ったステップとダイナミックなリフトでオペラ座の怪人を演じ切った。この日もスタンディングオベーションの大歓声に包まれ、フリーはスケートアメリカの得点を3点近く上回る103.68点をマークした。

演技を終え高橋は「ベストな演技とはいかなかったですけど、気持ちの面では非常に入り込んで滑れたかなと。ちょっと後半のパートに入っていくと僕は足にきてしまったので、その辺で気持ちにプラスアルファで表現することができなかった」と悔しさを表した。村元は「日本のお客さんの前で初めての“オペラ座の怪人”だったんですけど、演技ではキャラクターになりきって滑れたと思います」と振り返った。

“かなだい”組は今季結成3シーズン目で、10月27日のデニステンメモリアル・チャレンジで国際スケート連盟(ISU)の公認大会で初優勝。GPシリーズ第1戦のスケートアメリカは6位、今大会も同じく6位で表彰台は逃した。高橋は来月の全日本フィギュアに向け「リズムダンスの方はだいぶまとまってきたので、もっと細かいところをより一層気をつけ、フリーは通しで最後まで滑り切れる体力と、あともう少し滑り込むってところが大事になってくるのかなと思います」と今後の課題に触れた。

小松原組はこの日3番滑走で登場。序盤は息の合ったステーショナリーリフトとツイズルで流れに乗ると、得意のカーブリフトではレベル4を獲得。終盤はアップテンポの曲調に合わせ軽快なステップ、ツイズルで観客を魅了し、大きなミスもなく滑り切った。フリーの得点はカナダ大会を上回るシーズンベストの97.65点をマークし、合計164.30点の9位で終えた。

【NHK杯・アイスダンス結果】
1位 L.F.ボードリー/N.サアアンスン(カナダ)合計210.41点(フリー124.75点)
2位 M.チョーク/E.ベイツ(アメリカ)合計209.13点(フリー124.13点)
3位 C.グリーン/M.パーソンズ(アメリカ)合計191.10点(フリー114.10点)
6位 村元哉中/高橋大輔(日本)合計178.78点(フリー103.68点)
9位 小松原美里/小松原尊(日本)164.30点(フリー97.65点)