『離島振興法』が延長される見込みです。長崎県は有人離島の数が全国で最も多く、それぞれの島に独特の文化や歴史、自然、グルメがあり、他県にはない貴重な地域資源となっています。『しま旅』は、他の地域との差別化を図る上で大きな武器にもなります。
長崎の暮らしと経済を分かりやすくお伝えしているウイークリーオピニオン。今回のテーマは──
長崎が誇る“地域資源・離島の魅力” を再発見

平家 達史 NBC論説委員(以下【平】):
先日の衆議院 本会議で『離島振興法』の期限を2022年度末から2032年度末まで10年間延長する改正案が可決され、今臨時国会中に成立する見通しとなっています。
人口減少など離島を取り巻く現状は厳しいため、これまでも離島振興法によってハード面・ソフト面の対策がなされてきました。
長崎県は有人離島の数が全国で最も多く、それぞれの島に独特の文化や歴史、自然やグルメがあり、他県にない“貴重な地域資源”なんです。
今回はその価値について改めて見直したいと思います。
■ 県外からの注目度が高まっている“長崎の離島”
住吉 光キャスター(以下【住】):
確かに最近は都会からの移住やワーケーション先として、また高級リゾートホテルの進出もあって、県外からの注目がより高まっているように感じます。
【平】そうですね。しかし(県外出身者である)私が見る限り、そうした外からの注目の高さに比べて、県内の方が “その価値にあまり気付かれていない”ように思います。
ちなみに住吉さんは、長崎に来られて今年で4年目になるそうですが、県内の離島に足を運んだことはありますか?
【住】まだ仕事で対馬に行ったぐらいしかありません。
【平】県本土にお住いの方の中には、実はそういう方って多いんじゃないかなと思います。
しかし県内の離島は“国境に面した島”も多く、そうした離島の維持は国にとっても重要な課題となっています。そこで国からの交付金を活用して、“離島の地域振興”を図る取り組みが、いま行われているんです。
■ “しま旅”クーポン 離島への宿泊旅がお得に

それが『長崎しま旅わくわく乗船券』です。どういう取り組みかというと、五島列島・壱岐・対馬への往復乗船券に+100円 支払うことで──
島で使える“観光体験クーポン”や ”宿泊施設などで使えるクーポン”が付いて、島での旅をお得に楽しめるというものです。全国旅行支援と併用することも可能となっています。

【住】これだけ見てもかなりお得に感じますし、離島を旅行先に選ぶ後押しにもなりそうな気がします。
■ 五島市“椿油を使ったリップクリーム作り”や“塩づくり”

離島へ出発する際に、“本土の乗船窓口”で購入できる『わくわく乗船券』
販売期間は来年2月末までで、“島での宿泊”が購入の条件となっています。

体験クーポンが使えるメニューは島ごとに異なっており、五島市では、特産の椿油を使ったこれからの季節にぴったりの『リップクリーム作り』を体験することができます。

椿乃 竹村 美保子さん:
「椿オイルのいいところはすごく保湿に優れている、植物オイルの中でも乾かない油といわれていて、酸化しにくいオレイン酸がとてもたくさん入っているので、とてもリップの材料としては素晴らしいオイルとなっています」



新上五島町ならではの体験メニューは、五島近海の海水を使った『塩づくり体験』です。

株式会社やがため 川口 秀太 代表取締役:
「完全に水分を飛ばす炊き方をします。 “焼き塩”っていう塩を作るようになります」


予め濃縮した海水を石鍋に入れ、かき混ぜながら15分ほど煮詰めると、“焼き塩”の完成です。でき上がった塩はビンに詰めて持ち帰ることもできます。