信大が取り組む「水」の先端研究。このほど発表された高い圧力をかけなくても小さな力で水から不純物を取り除けるという世界初の特殊な膜の開発はその一つです。

厚さわずか100ナノメートルのとても薄い「浄水膜」。

この膜は環境や健康への影響で世界的な問題となっている「有機フッ素化合物」を
97%以上除去できるなど、有害物質や細菌が含まれた水を高い精度で飲み水にできるといいます。

ナイロン素材と食品添加物などに用いられる植物由来の繊維を組み合わせたもので、信州大学による世界初の研究成果です。

信州大学 遠藤守信特別栄誉教授:「信州大学の膜を通してきれいになった水がこちらに出てきます」

画期的なのが従来のフィルターの2倍から3倍という水を通す性質です。

電動ポンプがなくても水道程度の水圧で使えるため、インフラが整っていない
途上国などでも、安全な飲料水を供給できるといいます。

信州大学 遠藤守信特別栄誉教授:「水で困っている世界の人々はたくさんいますので、そういう国々に貢献する。日本発の技術革新ということで早く市場展開したいと思います」


信州大学では、世界中どこでも安全な水を利用できるように新しい施設を核に研究を進め、実用化を進めていく方針です。