日本はもっと買わされるのか?

 合意内容の3つ目「日本は自動車や米などの貿易を開放」とは具体的にどういった内容なのでしょうか?

 アメリカの自動車に関しては、日本への輸出拡大には「車検」や「需要」など関税以外の壁があり、米については、ミニマムアクセス米(年77万t)の枠内で、アメリカからの調達割合を増やすということです。

―――この内容について、どのような影響があると思いますか?

 (藤山氏)「自動車について、もともとアメリカの政権は関税以外の障壁として、いわゆる安全基準が日本とアメリカで違うため、日本に車を輸出する際には別途検査が必要になるとか、そういったところを追加の検査をしなくてもいいように、というような主張をしてましたのでそうしたところで障壁が多少緩和される可能性はあります。」

 (藤山氏)「ただ、最終的には『日本でアメリカの車が売れるのか』そこが重要。もし売れなければ、トランプ大統領的には満足できないという結果になるかなという形ですね」

―――米については日本にとってあまりダメージはないのかという印象ですか?

 (藤山氏)「米についてはミニマムアクセス米の枠内ということが発表されてますので、この枠内であればアメリカからの米の輸入がどんどん増えるというわけではないですので、今のところ大きな影響はないのかなというふうに感じています」

 (三牧教授)「トランプ大統領は米の問題を『日本の市場の閉鎖性の象徴』として、日本は米に高い関税をかけて市場を開放してないと何度も批判してきたので、トランプ大統領を満足させ、支持者に誇れる象徴的な成果を与えるという点では、日本にとっては小さくない譲歩ですけれども、交渉をスムーズにした面は確実にあったと思います」

―――今後、大統領が合意内容をひっくり返す可能性は?

 (藤山氏)「時間軸でどれぐらいで成果が出てくるか。成果が出てこないとトランプ大統領なので、何かをやるかもしれないという不透明感が残ってしまうかもしれない」

 今回3つの合意内容で落ち着きましたが、懸念や不明点もまだまだ残っています。ひと安心とならずに、長期的に見ていく必要がありそうです。

(2025年7月23日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)