「90%の利益をアメリカが受け取る」 トランプ大統領の"盛った"発言?

 合意内容を見ていきます。トランプ大統領の言い方では、「私の指示のもと、日本はアメリカに80兆円ほど投資し、その利益の90%をアメリカが受け取る」と発信しています。

 対する日本側、石破総理は「医薬品や半導体などの分野で、日米に利益がある生産体制をアメリカにつくる。政府系金融機関から日本企業に出資や融資をする」と発信。

 これは何を示すのか。藤山氏は「日本の企業がアメリカに工場などをつくる際に、政府系金融機関が融資や出資などで、最大5500億ドルサポートをすると、おそらくそういう枠組みで合意したと思います」と話します。

そして「実際に日本の企業がアメリカにどれぐらい進出していくのか。それがどれぐらいの規模になるのかはこれから、ということかなと思います」

―――トランプ大統領は「利益の90%をアメリカが受け取る」と発信していますが、日本としては損をするのでしょうか?

 (藤山氏)「日本の企業にとってアメリカは非常に大きな市場で、そこで日本の企業として事業を行っていくメリットがあるのであれば、この機会に日本政府の支援も受けて、アメリカでしっかりとしたビジネスをやっていく、そういうふうに捉えれば、日本にとってもメリットがあると考えることもできるかなというふうに思います」

―――「90%」という表現や、「私の指示のもと」という文言をわざわざつけた意味もふくめ発信内容についてどう分析されますか?

 (三牧教授)「5500億ドルというのが、一体どういう時間の幅なのか、まだわからないので、詳細を厳しい目で見ていく必要がある。利益の90%ををアメリカが受け取るというのも、日本側は決して国益に打撃があるようなことをしてないとしていますから、日米の言ってることがズレてるような状況です。この90%というのが、トランプ大統領がよくやる支持者向けの“盛った”発言なのか、一体何を指してるのかというのも重要なポイントです。」

 (三牧教授)「トランプ大統領は最近、国内でスキャンダル等もあって、支持者が離れつつあり、そうした中で日本とのディールを、相当支持者向けに売り込みたいというところもあるので、実際に日本と合意したところと、トランプ大統領の支持者向けのメッセージっていうのを見極めるところも重要かと思います」