いつか必ず家族との穏やかな日常を取り戻す
義郎さんが家にいないあいだ、玉野さんが不思議に思っていた光景がありました。
(玉野義文さん)
「おふくろが何をやりよんじゃろうかなと。よく干していましたわ、防具を。陰干ししてはたいたり拭いたりして」

その答えは手紙の中にありました。
(手紙【画像⑥】)
「剣道の道具の手入れをお願いしておきます」

剣道の達人だったという義郎さんから妻への頼み事。
(玉野義文さん)
「ああ~なるほどなと思いました。帰ってきて、またやりたかったんじゃないかな」
(手紙【画像⑦】)
「また笑って逢う日もあるでしょう」

必ず、家族との日常を取り戻す…義郎さんの祈りにも似た思いが溢れていました。
(手紙【画像⑧】)
「いつか朗らかに笑って暮らせる日が来るでしょう」

(玉野義文さん)
「太陽が昇って日が沈んで朝が来て晩が来る。普通に。勤めに行ったら晩に必ず帰ってくると『お疲れさん』というような穏やかな日を過ごすこと。厳しい自分の現状の中でそれを願っていたんじゃないでしょうかね」
