トカラ列島近海で群発地震が発生してきょう7月21日で1か月。島外避難も余儀なくされた、これまでの1か月を振り返ります。

(悪石島の島民・松下由貴さん)「昨夜はあまり眠れなかった。また夜どれくらい揺れるか不安」
先月21日、トカラ列島近海で28回の地震が発生。地震は収まることなく、22日に119回、23日には183回と、日に日に増加しました。
(十島村・久保源一郎村長)「備えや、いざというときの避難場所を再確認してほしい」

10日間で700回に迫る地震が起きる中、先月30日に悪石島で震度5弱を観測します。
(悪石島の島民・有川和則さん)「突き上げる横揺れを感じた。今までにない揺れでびっくり」
(取材中の記者)「すごい揺れが今おきています」
(悪石島の島民)「横揺れ。前と全然違う揺れが来るので怖い」

2日後の今月2日には悪石島と小宝島、それぞれで震度5弱の地震を観測。小宝島の義務教育学校・小宝島学園の校庭には、長さ10メートルにわたって地割れが確認されました。

(小宝島学園・松野浩三校長)「校舎が大きくゆれる地震でした。約5秒間です。教育委員会と連携をとりながら…」「(震度4の地震)いまもきました!いまもきました!すごいです!」「(Q大丈夫でしょうか?)全員大丈夫です」

そして、13日間で震度1以上の地震が1000回を超えた今月3日…
(悪石島の島民・坂元裕幸さん)「横揺れが10秒ぐらい。今まで体験したことがないような揺れ」

一連の地震で最も強い揺れ震度6弱を悪石島で観測。島には住民66人と島外から8人がいましたが、全員無事でした。

(十島村・久保源一郎村長)「動ける人は島外避難という形をとることになった」
震度6弱の地震を受け、村は希望者を島外に避難させることを決め、翌日には第1陣となる13人が島を離れました。
(避難した人)「怖かったでした。横揺れとか、下から揺れたり、どーんときたり」
(避難した人)「行きたくても行けない人たちのこと思うと不安」
島外避難が始まる中、仕事の都合で島を離れることができない島民もいました。
(悪石島の島民・坂元裕幸さん)「牛を飼っているとなかなか留守には出来ないので、長く続くようであれば、妻と子どもだけでも避難をさせることも考えている」

その後も地震は収まることなく、今月5日と6日に震度5強をあわせて3回観測。

(記者)「悪石島の東側の斜面、がけ崩れが起きているようにも見えます」
6日には悪石島と小宝島から第2陣となる46人が鹿児島市に避難しました。
(悪石島から島外避難・有川和則さん)「いつ終わるか分からない地震で、あと何日続くのかなと思って」
(小宝島から島外避難・齊藤星さん)「うちの息子は低学年だし、今回の避難で安心している」

村は島民が帰るタイミングとして、「震度4以上の地震が5日間以上なかった場合」とする中、今月16日、避難生活のストレスや島に残した家族を思い、島民16人が島に帰りました。
(十島村・久保源一郎村長)「自分の判断が正しいのか考えさせられている毎日。早く収まってほしい、誰もが願うことは一緒」
一部の児童生徒が島に戻った悪石島学園では今月18日、対面とオンラインで終業式が開かれ、全員が出席しました。

そして、塩田知事と久保村長は今月19日、島で被害状況を確認をしたあと、島民と意見交換しました。
(塩田知事)「これ(地震)がいつまで続くか、先が見えないことについての今後の生活への不安といったものを抱えている、そのような印象を受けた」
村は相次ぐ地震を受け、ふるさと納税を活用した災害支援寄付金を募っていて、これまでに350万円以上が集まっています。
震度4以上の地震は今月17日以降、きょう21日までに観測されていません。21日になければ5日連続となります。一日も早い収束を願います。