■日本の伝統技術の粋集め。。。制作したのは「遥か海を越えてきた人たち」
(賀儀山泰志さん)
「ジョン・ストーレンマイヤーさん。彼もかなりの凄腕で」
ジョナサン・ストーレンマイヤーさん、通称ジョンさん。アメリカ・オハイオ州の出身です。

(杣耕社 ジョナサン・ストーレンマイヤーさん)
「賀儀山さんのバーって非常に面白くて、そういうことをすると、みんながもう1つ木と触れ合って、木の良さをわかるし、とても楽しいプロジェクトです」
アメリカでは木造船などを作っていたジョンさん。日本の建築に興味を持ち、14年前に来日しました。京都で茶室の施工に携わる中で山本さんと出会い、2013年に杣耕社に入社。
日本の伝統工法の奥深さに魅力を感じているといいます。
(杣耕社 ジョナサン・ストーレンマイヤーさん)
「素直な建築というか、目立たない建築というのはよく分かっていて。でも、目立たないわりには非常に技術や手間が必要というのは、パッと見ではわからないんですけれど。高い意識と技術が聞けば聞くほどあるとわかっていて」
■弁護士を辞めチェコから来日。。。なぜ?
(ジョンさん)
「ここを見ていただきたい」
「はい」

外国人はジョンさんだけではありません。ジョンさんの活躍を聞きつけて、杣耕社の門を叩いたのが、チェコ出身のトマーシュ・マルワンさんです。

チェコでは弁護士だったトマーシュさん。昔から日本が大好きで、弁護士をやめ、半年前に来日。建築にも興味を持っていました。

(杣耕社 トマーシュ・マルワンさん)
「日本の現代の文化が好きでした。例えば映画とかゲームとか。伝統的な日本の建築はすごく魅力的だと思って、1つ1つの木材を見て、いちばん適当な場所に使うこと。それもとても大事だと思います」
■外国人職人たちと築き上げる 職人集団の「新しい世界線」
新たな価値観を持った外国人が加わることで、気付かされることも多いと、山本さんは感じています。
(杣耕社 山本耕平さん)
「いわゆる宮大工とかたたき上げの日本の大工さんといったら、どうしてもまだ封建的なマインドが残っているんですよね」
「うちの今の雰囲気を見ると、どちらかというとカジュアルな感じですかね。『空気だけですべてが凍り付く』みたいな世界線に僕らは生きていないので…」
伝統工法を学び技術を身に着けていく仲間が増えていくことは、山本さんにとっても大きな喜びです。


(杣耕社 山本耕平さん)
「仲間が増えたら嬉しいじゃないですか。あと建築を理解してくれる人が増えても嬉しいじゃないですか。こうやって縁があって知り合っても、離れ離れになるでしょう。1年、2年、3年とかで」
「いずれバラバラになるんですけれど、心のどこかで『あの人はあそこで何かをやっているんだ』とやっぱりふと思い出すんですよね。それはすごくありがたいというか、『1人じゃないな』みたいな」

仲間とともに新たな発想、新たな価値を作り上げていく山本さんと杣耕社。そこから生まれるものは、伝統のさらに先を行く建築なのかもしれません。