夏休み目前、現代の子ども達の「水泳の授業」について考えます。
「水泳の授業の思い出や気になるギモン」についてLINEでアンケートをしました。

◆「毎回、目と下半身浴をして消毒をしていた」
→どちらも廃止されています。シャワーで十分、水道水で目を洗うことで角膜を傷つける恐れがあるということ。ゴーグルの着用が推奨されている。

◆「かまぼこ板を持って夏休みのプール開放、毎日のように学校のプールに通いました」
→かまぼこ板は名前や住所、血液型などを書いて、出席カードのような役割を果たしていた。が、熊本市は夏休みのプール開放そのものを取りやめた。監視体制の難しさなどが要因。
街の声も聞きました。
40代女性「水泳の授業も少なくなっているから、身を守るためには泳げた方が良いと思う」
60代女性「うちはスイミング行っているのでいいけど、水の事故も多いじゃないですか、その辺は心配」
40代男性「環境があるのはものすごくありがたいこと。ただ、学校側の誰かが付くという状況を踏まえると難しいところがあるのかなと」
30代女性「時間割見たらプール納めって書いてあったから早すぎない?と思って。3週間ぐらいしかない
男の子(小3)「もうちょっとしたい」
男の子(小1)「ちょっとだけはしたい」
熊本市 30代女性「夏休みもプールが使えないみたいだから、もうちょっと楽しくさせてあげられたらなと」
そもそも 水泳の授業は、1955年(昭和30年)に修学旅行中の小中学生が乗っていた船が沈没した事故をきっかけに、その必要性が高まったとされています。

水泳の授業は文部科学省が定めるカリキュラムの基準で「小学1年~中学2年は必修」とされています。授業数は「10時間程度」で、熊本県内の小中学校では過去20年で比較するとほぼ変わらないということです。
ただ、最近の暑さ熱中症リスクを理由に、学校での水泳授業が中止になるケースが増えています。LINEのアンケートの中からも「実際には4~5時間程度だった」という学校もあるようです。

さらにカリキュラムでは「適切な水泳場の確保が困難な場合に限り〝座学〟を認めている」としていて、熊本市内の中学校でも3年生の水泳の授業を取りやめているところもあります。
こういった全国的な動きが相次いでいるため、日本水泳連盟は2025年4月、水泳の実技授業の継続を求めました。
プールをめぐる環境の変化は大きく3つあるようです。
(1)施設の老朽化
(2)水質検査など学校側の負担
(3)猛暑による熱中症のリスク
です。
学校のプールは多くが、築40年以上と老朽化していて、これを理由に授業を民間に委託する学校が全国的に増えています。
熊本市も例外ではありません。
熊本市教育委員会 楳木敏之 指導課長「現在小学校7校で、民間のスイミングスクールの場所やインストラクターの力を借りて水泳の授業を行っています」
民間委託では「泳ぎのプロ」であるインストラクターが指導します。さらに、複数人のインストラクターが監視することで安全性も向上し、教員の負担軽減につながるということです。
熊本市教育委員会 楳木敏之 指導課長「水質や水温に非常に気を配るが、そこを民間のスイミングのプールを借りると、管理されているし、屋内でもあるので水泳中止もありませんので子ども達にとっても快適な環境で泳げるメリットがある」
コスト面ではどうでしょうか?
熊本市教育委員会 楳木敏之 指導課長「費用は短期的にみるとちょっとかかるが、プールを改修するという長期的な視点でみるとプールを新たに作るよりは安く運用できる。今、少しずつそれを広げていきたいと考えている」

保護者や児童を対象にしたアンケートでは「水泳技術が向上した」など好評で、教員からも「指導方法が勉強になる」という声も上がっているということです。
まもなく迎える夏休み。水の事故から身を守るためにどうするか?親子でぜひ話してみてください。