「全面的に賛成とは言えない人が多い印象」
取材をしたMBS京都支局キャップ・木村富友佳記者は「北陸新幹線の延伸計画自体には賛成という方が多い印象。ただ、地下水への影響や京都駅周辺の交通渋滞も問題となっていて、工事が始まったらどうなるのかという地元の懸念が多く上がっている以上、全面的に賛成とは言えない人が多い印象だった」といいます。
また、延伸工事をめぐり財政が心配だという住民の声に対しては「沿線の自治体も一部建設費を負担することになるため京都市自体も最大で数百億円を負担することになる。京都はインバウンド需要で潤っていると思われていますが、長年赤字財政が続いていた自治体でもあるため、財政への懸念は大きくある」と取材を通じて感じたということです。
現在、北陸新幹線は東京から金沢を経て敦賀まで通っていて、2016年に小浜ルートでの延伸計画が決定しましたが、なぜ今これが争点になっているのか。MBS大八木友之解説委員は次のように指摘しています。
(大八木友之解説委員)「ルートとしては決定しているが、費用と時間の問題が出ている。ルート決定時の予測よりも費用もかさむ予想で、工期も15年ほど伸びてきているという話もあります。そうなると『費用対効果が優れている』という試算も怪しいのでは…という声もあり、米原ルートの方が費用も時間もスムーズではないのかという議論がここにきて出てきている。また、与党のプロジェクトチームが決定ルートにこだわりすぎている面もあり、柔軟に費用対効果を見ていく姿勢も必要ではないかと思います」