7月20日に投開票される参議院議員選挙で、2議席に対して9人が立候補している京都選挙区。京都ならではの争点として「北陸新幹線の延伸計画」がありますが、各候補者の主張とは?そして地元の人はどのように考えているのか?MBS京都支局キャップ・木村富友佳記者と大八木友之MBS解説委員の見解を含めてまとめました。
京都府民の間でも賛否分かれる「延伸計画」

去年、金沢―敦賀間が開業した北陸新幹線。災害時の代替ルートの確保や経済効果の向上などを目的に、東京から北陸をまわって大阪へとつなぐ計画です。
敦賀から大阪までのルートは米原市を通る「米原ルート」、小浜市と京都駅を結ぶ「小浜ルート」、舞鶴市を経由して京都駅を結ぶ「舞鶴ルート」の3ルートが2016年に候補に上がっていましたが、最も費用対効果が高いとして小浜ルートに絞り込まれました。
しかし、当初目標としていた2025年度中の延伸工事の着工は断念。というのも、小浜ルートに絞り込まれた後に、京都では延伸部分の8割がトンネルで市内の市街地では地下工事が必要になることから京都府・市から影響を懸念する声があがっているのです。
さらに京都仏教会は国宝・重要文化財・食文化への影響が懸念されるとして計画の見直しを求めています。
地下水を使って酒造りを350年続けてきた京都市伏見区にある酒蔵では、地下トンネルの工事などで水質が変わったり、水脈が遮断されたりする可能性がないか懸念しているといいます。
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(月の桂・十四代目 増田徳兵衛会長)「深さ40m以上を通るということで大深度ですが、大きなトンネルを掘るということで、どうなるのかなと心配ですね。反対という訳じゃないんです。水にいかに影響がないような状態で(新幹線が)来てくれるかが僕らの希望」
また、清水寺周辺のお店では延伸でさらに観光客が増える可能性があることについて複雑な声が。
(うなぎ店 料理長)「(店としては)うれしいけども、地元住民からするとこれ以上はやめてと。今もオーバーツーリズムで大変なことになってるので…」
(土産物店 店主)「お客さんに来ていただいたらうれしいけれど、もっと他にいっぱいやってほしいことあるよ。五条坂から東大路までバスで混んで動かへん…。(Qオーバーツーリズム対策にお金をかけてほしい?)そう思うんですよ、そのほうが来た人も喜ぶと思うし」
一方、京都の街の人はどう思っているのでしょうか?
(賛成・60代)「基本的に賛成です。東海道(新幹線)が不通になったときとか東京ー大阪間の交通がなくなりますから、そうなると北陸から遠回りでも行けると」
(賛成・50代)「私としては通ればうれしいと思いますけど、アクセスがいろいろ便利になるかなと」
(反対・50代)「限りある税収なのでそこに使いすぎて他のことがおろそかになるのが心配ですね。京都市自体がそんなに財政が豊かじゃないので…」
(反対・20代)「正直いらんとは思いますね。京都駅周辺とかごちゃごちゃしているじゃないですか。(工事中は)通行止めとか騒音問題もありますし…」
京都府民の間でも賛否が分かれる北陸新幹線の延伸計画。参議院選挙で各候補はどう主張しているのでしょうか。

















