投開票まであと5日と迫った参議院選挙。若者の政治への関心の低さが指摘されるなか、20歳以下の有権者の投票率を上げていくための取り組みを取材しました。

「夫婦別姓とか」
「消費税が上がってるんですけど、何に使われてるかわからなくて」

茨城県日立市の公立高校。3年生の教室では、聞き慣れない言葉が飛び交います。

「(結構わからない言葉多い?)日米関係とかわからない」

生徒たちが取り組んでいるのは「主権者教育」の授業。投票権が18歳に引き下げられたことで、「政治の知識や考え方を深める」、こうした学びが、いま注目を集めています。

この日は参議院選挙で重視するテーマについて話し合います。

「消費税を入れた」
「オレも入れた」

「消費税は入れなかった。同性婚とか」
「消費税」
「消費税」
「全部違う?」

授業の狙いは、政治への関心を高めて投票に行ってもらうことですが、実際は…

19歳
「(投票に)行ったことないから行かない」

20歳
「自分が投票しなくても(政治は)動くじゃないですか、勝手に、集まった票で。だからあんまり関心ない」

過去の参院選の年代別の投票率は、▼60代がおよそ7割に対し、▼10代、20代は3割程度にとどまっています。

「主権者教育」の意義を、担当教諭は…

茨城県立多賀高校 上岡龍平 教諭
「選挙に向けてある程度ハードルが下がれば(投票に)行きやすくもなるし、これから先も政治に関心を持ってくれるんじゃないのかな」

この日の放課後、学校に来た1台の大型バス。「貸切」と書かれていますが、送迎用ではありません。

記者
「バスの中には投票箱が設置されています」

実はこのバス、日立市が始めた“移動式の期日前投票所”。学んだあとは、実際に投票へ。体操着姿の生徒たちの手には、本物の投票用紙が。

18歳、初めての選挙。どんな思いで“1票”を投じたのでしょうか。

「最初めっちゃ緊張したんですけど、18歳になった実感がわいて楽しかった」
「1票を入れたことによって、より政治に関心を持つことができた」

政治を“自分事”として考える。生徒たちは1票の重みをかみしめていました。