■玄関に豚の頭と「Z」の落書き 反戦活動続ける市民に脅迫

市民がプロパガンダに対抗する手段はあるのか。戦争に反対するロシア在住の男性に、上村キャスターが話を聞いた。

ロシア在住の男性 ロマンさん:
「ほとんどの独立系メディアが潰されました。(インターネットからの情報は)今のところ大丈夫ですが、当局はSNSも規制しようとしています。テレビでしか情報を見ない人はどうしようもありません。考えることが必要なのに、多くの人は考えることもしたくないのかもしれません」

上村彩子キャスター:
「ロマンさんとしては、情報をしっかりとらない人たちに対して、怒り、悲しさなど、どんな気持ちをもっているんでしょうか」

ロマンさん:
「もし私が政権支持派の人ばかりの中に置かれたら、1年で気が狂うか、彼らと同じ意見になるかのどちらかでしょう。やはり周りの人の影響力は大きいですから」

玄関前に切り取られた豚の頭が置かれるなど、反戦を訴える人の自宅に脅迫行為が相次いでいる。

戦争開始直後から反戦活動を続けているモスクワ大学の4年生、ドミトリー・イワノフさんは、3月16日、自宅玄関の扉にロシア軍を示す「Z」と「祖国を裏切るな」という落書きをされた。

同じ日、プーチン大統領はこんな発言も。

プーチン大統領:
「ロシア国民は真の愛国者とクズ野郎や裏切り者をきちんと区別できる。クズ野郎や裏切り者は口に入ってきたハエのように吐き出せばいいんだ」

イワノフさん:
「(玄関の落書きは)脅しだと思います。ただ、こんなことをされても、たいしたことはありません。些細な嫌がらせとして受け止めています」

だが、イワノフさんの自宅には、3月28日にも、イワノフさんの顔が「Z」でつぶされた紙が貼られていた。

さらに反戦活動家の女性、ダーリャ・ケイキネンさんの玄関の扉には「ナチズムを許さない」とのビラが貼られ、玄関マットには肥料がまかれていた。