一方、製造業界がいま直面している課題が「人手不足」です。

高島産業 小口武男社長:「あそこにあの機械の表示があるんですよね。今何台動いてるかとか、それから丸印が書いてあるけど品質がどうだとか、そういうことがわかるようになっている。これはDX」
茅野市に本社を置く高島産業は、工場のDX化を進め省力化を図っています。パソコンに集約されているのは、それぞれの機械で作っている製品の質を表すデータ。

高島産業 小口武男社長:「管理線のこの中に製品(の寸法)を収めようと言ってやってるんですよ。ところが金属を加工するとこれがだんだん上がってくるわけ、寸法が。そうするとこれを自動で下げるということを実はここでやってるんですよ」
以前は、エラーが出ると人が行って確認し、機械を設定し直していましたが、機械とシステムをつないだことで今は、全て自動で行えます。
同時に進めてきたのが、働きやすい環境の整備です。

作業服の自由化や育児などにあわせた柔軟な勤務時間制度、社員同士の交流を深めるための費用補助などを実現。
人材の獲得が難しくなる中、若者の雇用に力を入れてきましたが、課題も多いといいます。
高島産業 小口武男社長:「今までは高校卒業して地域で働くみたいな、そういう人も多かったけれども、それが非常に少なくなっている。それが一つの大きな課題。人が育たないとやっぱり会社はよくならない」

小口武男社長は、地域の製造業の活性化に取り組む「諏訪圏ものづくり推進機構」の会長も務めています。
6月、300社以上が参加した「諏訪圏工業メッセ」では、いわゆるトランプ関税の影響を懸念する声が、多く聞かれたといいます。

高島産業 小口武男社長:「日本というのは加工貿易で成り立っているというのが原点の考え方だから、そういう意味では特にこの諏訪の企業っていうのは今後非常に厳しい局面になろうかと思うんですよね。(これからは)研究開発だとかそれからもう少しアジアとかヨーロッパとか、そういうところとどうやって手を組むかとか、そういう部分で政府の協力をしてもらうという方向じゃないかと思っている」
山積するものづくりの課題、各候補の考えは。
参政党・新人 竹下博善さん
「アメリカのトランプ関税については、交渉している様子が伝わってこない。同盟国ですので、彼らがいったい何を考えてそういう政策を打っているのか、歩み寄れるところはあるのか。もう少ししっかりこれ議論して、ともに歩めるんであれば、しっかり寄せていって、話し合っていくっていうのが大事ではないか」
自民党・新人 藤田ひかるさん
「省力化・省人化の投資を今、政府も支援してますけれども、これをもっとしっかりやっていく。ただ、やっぱりこれさらに伸ばすっていうところで言えば、私は本当に研究開発とかイノベーションについてそういうところに取り組む意欲のある中小企業に対して、もっと支援をしていくというのは一つあると思っています」
立憲民主党・現職 羽田次郎さん
「信州は中小のものづくり産業というのが大変盛んですし、高い技術も持っておりますので、しっかりと価格転嫁を進めていくこと。国としても、中小企業に対する、例えば賃上げのための支援策とかを拡充していく必要があるというふうに思っております」
諸派・新人 山田雄司さんは、「サプライチェーンの強靭化と技術革新で、地方から世界へ発信できる製造業を実現する」としています。
諸派・新人 加藤英明さんは、「補助金を工夫し、長野県への工場誘致や海外メーカーの日本工場誘致をすべき」と訴えています。