除湿ボタンは節電にならない!?

 部屋の快適さには「湿度」も重要です。快適な湿度は40%~60%と言われていて、湿度が20%下がると体感温度がなんと4℃下がるというデータもあります。

 ここでエアコンの「除湿」機能を使うべきなのかと思いきや、そうではないそうです。和田氏によると、除湿・ドライは暑いときではなく、気温がそれほど高くないときの高湿度対策(洗濯物を室内で乾かしたいときなど)に向いていて、節電目的には向きません。さらに除湿能力も除湿運転より冷房のほうが高いため、今の時期は「冷房一択」だと思っておきましょう。

 ちなみに、「除湿機」という機械も販売されていますが、エアコンがあるならエアコンを使用するほうがオススメです。除湿機にはコンプレッサー式とデシカント式の2タイプがあり、コンプレッサー式は運転音が大きいためリビングなどで使うのは不向きと言えます。そしてデシカント式は、水分を吸ってくれるものの室温を上げてしまうそうです。

 そして、一度買うと何年も使う人が多いエアコンですが、何年くらいで買い替えるべきなのでしょうか。内閣府のデータによると、平均使用年数は14.1年。多くの人は壊れて買い替えているため、この年数はエアコンが壊れる平均年数でもあると言えます。家のエアコンの使用年数が14年を過ぎている場合は、壊れる前に買い替えたほうがいいと和田氏は話します。

そもそも日本の家は暑い…

 室内で快適に過ごすにはエアコンの使い方も大切ですが、そもそもの「家」も重要です。しかし日本の家は造りの問題から暑いということです。外から入ってくる熱は、窓からが7割、屋根・壁からが3割ですが、窓については多くの家が1枚ガラスでアルミサッシ。屋根・壁についても、日本の住宅は従来、耐震性能に重きを置き、断熱性能にコストをかけてこなかったという背景があるそうです。

 家の暑さ対策をいくつかご紹介します。まず窓については、内側のカーテンよりも外側から日差しを遮る方が効果的。さらに、窓にピタッと張り付くものよりも、斜めにシェードを取り付けるほうが、窓との間の空間に風が通り、熱がこもりにくくなるということです。可能であれば窓を2重・3重にしたり、樹脂製のサッシにすることも暑さ対策になるといいます。省エネの一環として、こうしたリフォームに補助金を出している自治体もあるため、お住まいの地域はどうか調べてみてもいいかもしれません。

 そして壁・屋根については今年4月から基準が変わり、すべての新築住宅で一定以上の断熱性能を義務付けられているということです。

 猛烈な暑さが深刻になっている今、少しでも快適に過ごすための対策を、社会としてもさらに考えていく必要がありそうです。

(2025年7月8日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)