約3万台分の荷物 委託先は?

井上キャスター:
約3万2000台分の荷物を、他社にすべて委託することはできるのでしょうか。

蓮井記者:
2024年問題が話題になったように、今の物流業界では人手不足が叫ばれているので、すべてを外部に委託できるかは怪しい部分もあります。

物流関係の各社に聞いてみると、大手A社は「委託される規模感や業界全体の協力体制次第なので、現時点ではわからない」と話していました。
一方、大手B社は「協力する姿勢だが、自社の利用者には迷惑をかけられないので、できる範囲での協力になる」とのことです。

井上キャスター:
さまざまな影響が指摘されているなか、日本郵便で考えると、郵便・物流部門は2年連続で営業赤字です。

これを何とかしようと、2024年の郵便料金引き上げで黒字転換の予想だったのですが、他社への業務委託には費用がかかるので、そういったものが積み重なって経営の打撃になる可能性が指摘されています。

川合さんは日本バレーボール協会のガバナンスなども改革していこうとトップに立っておられるわけですが、組織のガバナンスを変えていくことの大変さなど、何か感じていらっしゃることはありますか?

川合俊一さん:
たとえば、行動規範をしっかり作って「これを守っていきましょう」と言っても、どこかで気を抜いてしまう部署があったり、担当者がいたりします。そういうところは話し合いをもって「仕事は誠意を持ってやりましょう」「悪い方向には行っていませんね」と常に確認しないといけません。

井上キャスター:
それには第三者の目といったものが必要ですか?

川合俊一さん:
私のところは40人ぐらいの組織なので、会長や執行部がしっかりと指導をしていれば防げることはたくさんあります。話し合いのほかにも、今、誰が何をやっているかを把握している人間がいないと組織は傾いていくので、そういうところを強化していこうと思っています。

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<プロフィール>
蓮井啓介
TBS報道局経済部 郵政・物流担当
物流問題や不適切点呼問題を取材

川合俊一
日本バレーボール協会会長
ロサンゼルス、ソウル五輪2大会連続出場
現在は競技の普及や選手強化に尽力