「レンチ」だけで77個 厳重に管理する理由がある

今回、整備作業で使う工具を特別に見せてもらいました。

記者「すごい数」

航空整備士が「レンチ」と呼ぶ工具だけで77個。それに加えてドライバーやそのほかの工具が並んでいます。機体が海外製のため、工具のサイズもすべてインチで表示されています。

1つでも紛失すると機体を動かせなくなってしまう整備士の工具。そのため、土台のスポンジを工具1つ1つの形に切り抜き厳重に管理しています。

北九州航空基地 航空整備士 西村信之介さん
「工具がちょっと引っかかって、動かない操縦できないとなると、車だと止められるけど、飛行機は飛んでいるものなので、それで人の命を奪うことになるので、工具はこのような形で使っています」

なぜ、航空整備士に?

午前中の訓練を終わり、北九州航空基地に戻ってきた西村さん。昼食は、おにぎり2個。

北九州航空基地 航空整備士 西村信之介さん
「私、少食なんですよ」

海上保安官の中でも整備士になろうと思ったのはなぜでしょうか。

北九州航空基地 航空整備士 西村信之介さん
「ヘリコプターを飛ばせなかったらレスキューにもいけない。整備士をやりつつ、救助するというところは整備士じゃなきゃダメなのかなと思いました」

数多くの海の事故に対応してきた西村さん。

一番印象に残っていると話すのは、おととし6月に沖縄で起きたダイビング中の海難事故。

男女7人が一時、行方不明となりましたが、無事に全員を救助しました。

北九州航空基地 航空整備士 西村信之介さん
「ほっとした顔であがって来られたので、その時に一番仕事のやりがいを感じます。必ず見つけて家族の元に返してあげるという気持ちで常に事案に対応しています」