場所ごとに関取に支給される「持ち給金」とは
大の里の全勝優勝に着目をしたいのは、もちろん名誉や記録という面もあるのですが、「力士としてのサラリー」がぐっと上がるからです。
そのことを示す角界のシステムに「持ち給金」があります。
持ち給金(力士報奨金)は、序ノ口や幕下付け出しなどでデビューをすると3円が与えられます。どんな力士もまずは「3円」がベースです。
その後、勝ち越し1点につき「50銭」が加算されます。勝ち越すことが前提です。
【幕下以下の力士の場合】
・4勝3敗:勝ち越しが1点なので50銭加算
・5勝2敗:勝ち越しが3点なので1円50銭加算
といった具合に加算され、7戦全勝なら50銭×7=3円50銭のプラスになります。
十両以上になると、15日間土俵に上がるので8勝7敗だと勝ち越し1点で50銭の加算ですが、たとえば14勝1敗と大勝ちをすると13点の勝ち越しなので、6円50銭も加わります。
このように加算されていく持ち給金ですが、晴れて十両以上の関取になると、たまった金額の4000倍が場所ごとに支給されます。関取以上の現役力士に対して2カ月に1度の支給です。
ちなみに、十両や幕内などに昇進したときにたまった持ち給金が下記の最低ベースに達していないときは、そこまで引き上げられます。
【持ち給金の最低ベース】
・十両:40円
・幕内:60円
・大関:100円
・横綱:150円
十両に昇進した力士が最低ベースに届いていなければ40円が与えられ、40円×4000=16万円が場所ごとに支給される計算です。