右半身マヒという障害を抱えながらも、左手でフルートを奏でる畠中秀幸さん。戦後80年の今年、沖縄で戦没者の慰霊演奏を行いました。過去と現在をつなぐ、平和への響きです。【この記事の画像を見る】
◆《激戦地となった沖縄県伊江島で慰霊の演奏を…》
青い空に、いくつもの大きな雲が浮かぶ沖縄県入江島。6月19日、札幌から1人の男性が訪れていました。
左手のフルート奏者 畠中秀幸さん(56)
「いや…すごい。ここでも演奏しますか…これを見たらやらざるをえないというか」

80年前に繰り広げられた戦闘に思いを寄せ、心が大きく動きました。
入江島にある飛行場は沖縄戦で、旧日本軍によって強制的に土地を接収されて、戦後はアメリカ軍に占領されました。

札幌のフルート奏者、畠中秀幸さんと、音楽家の小川紗綾佳さんです。

畠中さんたちが演奏しているのは、沖縄本島の北部に浮かぶ人口4200人ほど伊江島。沖縄戦では、アメリカ軍による空襲や艦砲射撃などを受け、激戦地となりました。
日本軍は、戦力を補うため地元住民を動員し、わずか6日間で民間人1500人を含む、約3500人が命を落としました。

畠中さんがまず訪れたのは、戦争の記憶をつなぐ反戦平和資料館『ヌチドゥタカラの家』です。
畠中秀幸さん(56)「畠中です」
謝花悦子さん(86)「よく来られたね…」
資料館の館長は、いま86歳の謝花悦子(じゃはなえつこ)さんです。