事実上の“政権選択の選挙”と指摘される今回の参院選、私たちの暮らしにはどう影響してくるのでしょうか。与野党幹部に聞いていきます。きょうは、井上貴博キャスターが“背水の陣”で臨む自民党幹部の本音に迫りました。
自民党 石破茂 総裁(きのう)
「自民党は本当に日本のために次の時代のために必要なことを誠心誠意訴えてまいります」
今回の参議院選挙で、過半数を失えば衆参両院で“少数与党”に転落し、石破総理が退陣に追い込まれる可能性もでてきます。
“背水の陣”で臨む自民党ですが、公示日のきのう、仙台市には公約をとりまとめた幹部の姿がありました。
井上貴博キャスター
「最も力を入れているのはトランプさん外交。あともう一つは物価高ですね」
演説を終えた小野寺政調会長に井上キャスターが迫りました。
井上貴博キャスター
「(参議院でも)与党過半数割れの方がいいのではという声が一定程度ある」
自民 小野寺五典 政調会長
「政治の安定があって初めて混乱せずに迷走せずに一定の方向に政策を打つことができる。熟議は大事、けれども、やはり決めるところは決めて前に進める。この両方のバランスかと思います」
今回は、「政権選択選挙に近い」と指摘し危機感を示す小野寺氏。
自民党は物価高対策として、公約に国民1人あたり2万円、子どもと住民税非課税世帯の大人は4万円の現金給付を掲げ、石破総理も年内にも実施する考えを明らかにし理解を求めますが、消費税の減税については「高所得者ほど恩恵を受ける」と述べ、否定的な考えを示しています。
自民党 石破茂 総裁(先月28日)
「消費税を減税するということは、お金持ちほどたくさん消費をするのであって、お金持ちほどたくさん減税になる。それは格差が広がることになりはせんだろうか」
こうした考えについて、井上キャスターが一律の現金給付なら、結局、高所得者にも恩恵があるのではと質すと。
井上貴博キャスター
「給付金に関しても、高所得者についても配るということは」
自民 小野寺五典 政調会長
「スピード感を持つとしたら、まずは一律ということが一つ大事だということ。むしろ所得の低い方・お子さんが多い家庭の方が手厚くなるということですから、そこは私は十分、総理がおっしゃってる内容に合致してると思います」
減税と給付、物価高対策をめぐる議論に有権者からはこんな声も。
「本当に庶民の目、立場に立って考えてもらいたい」
「生活に寄り添ってくれるようなポリシーを掲げてくれる候補者に投票したい」
一方、ほかの党にはない自民党の強みについては、こう強調しました。
井上貴博キャスター
「自民党だからできること、ほかの党じゃない。うち(自民党)だからできること」
自民 小野寺五典 政調会長
「外交安全保障。特に今回のトランプ関税対策、こういうことをしっかり議論をし、国益を守って粘り強く戦えるのは、私は自民党だけ」
ただ、トランプ大統領がイランの核施設攻撃について広島・長崎への原爆投下になぞらえた発言に対しての日本政府の対応については不満をのぞかせました。
自民 小野寺五典 政調会長
「わたしは普通ならふざけるなですよ。トランプのあの発言はふざけるなです。そこは政府の立場がきっとあるんでしょうが、ぶざけるなですよ」
物価高と関税交渉という大きな難題を抱えながら迎えた選挙戦に、インタビューの最後こんな本音が漏れました。
自民 小野寺五典 政調会長
「本当に(投開票の)直前まで有権者の意識が動くか読めません。よーいドンで今スタートしている。走ってる最中にまわりの人のことを考えたら、このレースは負けます」
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