「公共交通機関にも税金を」“車依存症”を減らすには?
小川彩佳キャスター:
大前提として無免許運転は許されることではありませんし、被害者もいます。74歳の男性は「庭先に車があったからついつい乗ってしまった」ということです。

地域エコノミスト 藻谷浩介さん:
今回は鳥取県の話ですが、高齢ドライバーの問題は池袋でも事故があったように、地方だけの問題ではありません。“車依存症”なっていると思います。
74歳の男性も「事故を起こしたので自転車に乗る」って言っていましたから、自転車で行けるはずなのに、つい車に乗ってしまう。さらに、男性が住む鳥取県から事故現場の島根県は離れているので、実は車で遥か彼方に行っていたわけです。
車は“ドアtoドア”でどこでも行けて便利なため、依存しているわけですが、なおすためには、バスがどんどん廃止される中、公共交通機関にのる習慣がない日本人を減らさなくてはならないと思います。地方も東京も同じで、東京もバスが減っていたりします。
日本ではガソリン税を道路の補修には使いますが、公共交通機関のためには使ってきませんでした。公共交通機関は採算があわないものは廃止と、これは「車に乗れ」と言っているのと同じじゃないですか。欧米などの外国ではガソリン税を公共交通機関に使っています。
道路だけでなく、もっと広く公共交通機関にも税金を入れて、公共交通機関を使うように誘導するというふうに政策を転換しないと、“車依存症”の人が減らずに問題がいつまでも続くと思います。

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<プロフィール>
藻谷浩介さん
地域エコノミスト 少子化問題に詳しい
(株)日本総研主席研究員