清水和行さん
「(Qここは慣れた道?)家に帰る道です。ここを通って道路を渡ってバス停に行きます」
広島市内で鍼灸マッサージの治療院を経営する清水和行さん(64)です。

20代で全盲となり、広島に盲導犬が1頭もいなかった1989年に、県内初の「盲導犬ユーザー」になりました。いまは6頭目の「ファイン」と一緒に暮らしています。
清水さんは、西日本豪雨の被災者です。
西日本豪雨は2018年7月6日に発生し、広島県内でも153人が亡くなりました。土砂災害や河川の氾濫が相次ぎ、安佐北区の清水さんの自宅は床上浸水の被害を受けて半壊。道路も水に浸かったため、避難所には行かず自宅の2階に避難しました。

清水和行さん
「犬が歩けませんからね、道路が水浸しなので。犬が僕らを誘導できないので。全部2階に食べるもの、水、排泄の道具、着替え、タオルなどを2階に上げるのがやっとでした。あっという間に水が来たので」
2日後、近所の人や友人の助けで自宅を脱出し、安全に避難することができました。清水さんは、地域のつながりと普段からの備えの大切さを実感したといいます。

清水和行さん
「ご近所の人が助けに来てくれた。荷物を持ってもらったり手引きしてくれたり。災害が起きたときではなく、起きる前にどれだけ準備できているかなので」