平和公園にある原爆供養塔の遺骨について、広島市は初めて遺髪による「DNA型鑑定」を行い、身元が特定できたと発表しました。

遺族 梶山修治さん
「初枝として認められた、本当に良かった」

平和公園の原爆供養塔には、およそ7万人の遺骨が眠り、そのうち812人は名前が分かりながら遺族が見つかっていません。

この中の1人、「鍛治山ミチ子さん」について、遺族が遺骨は「ミチ子」ではなく、「梶山初枝さん」ではないかと、広島市に身元の特定を求めました。

今回は、遺骨と一緒に遺髪も残されていたため、広島市は初めて、遺髪でのDNA型鑑定を実施。その結果、DNAの抽出に成功し、遺族のDNA型とも照合。「遺髪は梶山初枝さん」との鑑定結果となりました。

遺族 梶山修治さん
「80年は長いが、実現したことをうれしく思う。1人でも多くの遺族のもとに帰れる状況ができればと思う」

広島市は今後、遺族の要望があれば、遺髪でのDNA型鑑定を続けるということです。