高知県高知市の「和の森わんぱーくこうちアニマルランド」で飼育されていた、国内最高齢のスマトラトラ「カリ」が、29日(日)、死にました。19歳でした。
「カリ」は、絶滅が危惧されているスマトラトラのメスで、2006年6月28にカナダのトロント動物園で双子で生まれ、2010年に来日しました。国内の繁殖計画に基づいて、愛知県の東山動物園や、神奈川県のよこはま動物園ズーラシアを経て、2019年11月20日に高知市の「わんぱーくこうちアニマルランド」にやってきました。
「カリ」は、高知にやってきた後は元気な姿を見せ、のびのびと暮らしていましたが、ここ最近は、年を取ったことによる体の衰えが顕著だったということです。飼育スタッフの伊藤秀都さんによりますと、2025年2月ごろから後ろ足に力が入りづらく、足腰が弱って歩行がゆっくりになっていました。
園では6月3日から「カリ」の展示を中止して、室内で過ごさせていましたが、それ以降も室内では歩く姿を見せ、エサも食べていたということです。しかし、19歳の誕生日を迎えた翌日=6月29日の朝、飼育員が出勤した時、獣舎で死んでいるのが確認されました。人間に例えると、100歳近い“おばあちゃん”だったということです。
遺体を解剖して調べたところ、死因は「老衰による多臓器不全」でした。
飼育スタッフの伊藤秀都さんは、「死んでしまったことは悲しいが、室内でもしっかりエサを食べていて、最後まで一生懸命『生きよう』とする姿が見られた。動物園の“顔”でもあるトラとして、訪れた人を楽しませてくれるなど、最後までよく頑張ってくれた」とコメントしています。